【幕間 参】 ページ47
青空が広がる屋上の一角、吹き過ぎる風が太宰の外套を膨らませた。
「安吾に聞くけど、現代で刀を所有する組織って裏も含めてどれだけある？」
《刀を所有する組織ですか……？》
太宰は前置きもなく本題に入った。人との会話として如何かと思うが、相手が「手短に」と云ったのだ。ならば遠慮する必要は無いだろう。
「そう。特徴としては、その組織は絶対的な主従関係で古典的。更に宗教的価値観と軍事行動がある。加えて組織の
……該当する組織は？」
太宰の言葉と同時に、通信器具からは「パラパラッ」と何かを捲る音と「カタカタッ」と機会的な音がした。 太宰の話と同時に、通信する相手が調べ物をして居るのだろう。
《……ふむ。僕も裏社会については断言出来ませんが……
太宰君も知っての通り、横浜は【ポートマフィア】が闇社会の総取締役です。政府で定期的に色々と調べて居ますが、ポートマフィア傘下に刀を使用する組織は無いですね》
「まぁ、刀なんて個人の技量が必要だし、部下に使わせるのは非効率的だ」
《えぇ。政府で帯刀を認められて居る者も居ますが、政府ではちゃんと管理をして居ますので……云い方は良くないでしょうが、今時古めかしい刀を使うのは些か『時代遅れ』です》
「……そっかあ。うんうん、そうだよねぇ」
《……で？ そう訪ねて来た理由は何ですか？太宰君が直々に調べて来たのは、それなりの理由があるのでしょう？》
「対価を示せ」と云う様に太宰に問う通信相手。親しい雰囲気の会話だったが、些かこの二人は因果関係にある。元々『政府
「なァに、一寸した来客があってね。安吾に調べさせただけさ」
《僕は便利な情報屋ではありませんよ》
「此方から云えるのは【刀を使う強力な組織が現れた】ってだけ☆」
最後に巫山戯た太宰に通信相手は《はぁ？……一寸ッ！？》と怒鳴る。
太宰は気に留めず通信器具を耳から外して其の侭切った。
プツン……と快い音がして、通信が切れる。
太宰は悪気も無く屋上を降りて、自身に通信器具を渡した男性に「ありがとね〜」と礼を云って図書館を出た。
気分が無理矢理にでも変えられそうな晴天の外。太宰は図書館から数米離れた場所にある路地裏を通り、広い行き止まりの場所に辿り着く。
血の匂いも何もしない、
「鬼か、蛇か……」
空は、蒼い。
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乙女になりたい。(プロフ) - お疲れ様でした！！とても楽しい作品でした！！ (2020年10月11日 1時) (
レス) id: a5fb63b44e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - あやとりさん» お久しぶりです、僕の方こそ有難う御座います！続編も合わせ、是非とも宜しく御願いします……♪ (2018年3月10日 22時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
あやとり - 焼きまんじゅうさん» ふわぁ…私こそ毎回この作品を楽しませていただいき本当にありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2018年3月10日 20時) (レス) id: bfcb2a7bd0 (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - はい、複数人ならば構いませんよ！リクエスト有難う御座います……☆ (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
優梨奈(プロフ) - 粟田口と三条(でもいいんですかね？)でお願いします！ (2018年3月10日 20時) (レス) id: 7cf4248c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焼きまんじゅう | 作成日時：2017年10月9日 5時
