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【第拾玖話】 横浜:探偵社内:応接室 ページ26

『如何してあの路地裏に?』
「…本拠地が襲われ、逃げた先があの場所だった」

『あの女の子との関係は?』
(ちぎり)を結ぶ者」

『あの女の子の名前は?』
「……俺達は云えない」

『何に襲われた?』
「俺達の敵。だ」

『刀を下げて居る理由は?』
「敵を倒す為。刀は俺達の必要不可欠な物だ」

「ん〜……そうですか。
以上で聴取は終わりです。何か他に__」

「『異能力』をご存知ですか?」

「うへっ?」

敦が聴取の控書(メモ)を取り終えた時、ずっと黙って居た太宰が口を開いた。

「……『異能力』?何だ其れは?」

「僕も知りませんが……」

膝丸達は聞き慣れない単語に眉を寄せた。

「……いえ、少し確認したかったので」

太宰は頸を振り、「空振りか」と一人思う。
太宰の反応に膝丸と堀川は顔を合わせ、「?」と頸を傾げた。

「……『異能力』とやらは、若しかして巫術の事か?
それならば俺達は良く知って居るが……」

「ふじゅつ……『巫術』?」

今度は敦達が頸を傾げた。

「……限られた者だけが遣える、『超自然な存在にはたらきかける』力だ。
巫術を使う事により、様々な現象を起こす事が出来る。

『異能力』とやらもそれか?」

『限られた者だけがつかえる』、『超自然的で様々な現象』。
それは慥かに異能力と類似して居るが、異能力に『巫術』と云う名は付いて居ない。

敦達が知らないだけかも知れないが、海外でも『異能力』と云う名で広まり、使われて居る事は身を持って確認済みである。

「……えっと、詳しく云うと?」

然し、『巫術』は日本古来の呼び方の様な気がする。
異能力は海外――欧州等が本場とされており、云わば『流れモノ』だと考えて良い。

―――『異能力』。不可思議な力。

異能力について判る事は少ない。そして、敦は日本では横浜から出た事が無い。
日本各地で異能力の存在は(多分)確認されて居るだろう。諸地域によっては呼び方が違うかも知れないが。

でも『巫術』は何か、何処か違う気がするのだ。

類似点は多い。「呼び方の違い」と誰かがハッキリさせれば、問題無い。

だが、敦は違う気がする。
……隣の太宰に話を聞けば、問題解決も速いのだろうか?然し今は事情聴取中だ。

目の前の二人は傷だらけで痛々しく、保護すべき存在なのだとしても。
例え立場上、敦達(此方)側が上だとしても無礼は出来ない。

(……巫術は、異能力とは別物だ)

そう思う理由としては まぁ、

敦の『勘』なのだが。

【第弍拾話】 横浜:探偵社内:応接室→←【第拾捌話】 横浜:探偵社内:応接室



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乙女になりたい。(プロフ) - お疲れ様でした!!とても楽しい作品でした!! (2020年10月11日 1時) (レス) id: a5fb63b44e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - あやとりさん» お久しぶりです、僕の方こそ有難う御座います!続編も合わせ、是非とも宜しく御願いします……♪ (2018年3月10日 22時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
あやとり - 焼きまんじゅうさん» ふわぁ…私こそ毎回この作品を楽しませていただいき本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年3月10日 20時) (レス) id: bfcb2a7bd0 (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - はい、複数人ならば構いませんよ!リクエスト有難う御座います……☆ (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
優梨奈(プロフ) - 粟田口と三条(でもいいんですかね?)でお願いします! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 7cf4248c7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焼きまんじゅう | 作成日時:2017年10月9日 5時

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