【第捌話】横浜:探偵社:探偵社内 ページ14
◎二人は腰に刀を下げて居る。
◎甲冑の一部?みたいなのを着けて居る。
◎傷だらけ。処々に煤が付いて居る。
「……ぅーん?謎だ」
敦が見て思う事は、
二人の服装は見慣れた洋服だが、処々そぐわない。
……一体、何をして居る人達なのだろうか?
(政府の人かな?慥か、特務課に帯刀を許された人が居た様な?)
うむむ……と一人で思考を巡らせて居た時、敦は誰かに ぽんっ。と肩を叩かれた。
「うぉわッ!!?」
ぼやぁ……として居たので思わず大声を出してしまう。
周りで作業して居た数名の事務員達がバッと敦の方を見て何でも無い事だと理解し、視線を外した。
「……そんなに大きな声を出さないで呉れ給えよ。敦君」
「だ、太宰さん……」
敦の隣には長身の男__即ち『太宰 治』が居た。
武装探偵社、調査員の一人。
頭脳明晰で顔も良い
何せ太宰は全身を包帯でぐるぐる巻きにしており、ボサボサの蓬髪。
にっこりと人の良い優しい笑みを浮かべて居るが、滲む胡散臭さが拭えていない。
おまけに、美女が居ればすぐさま口説く。川に流れる、五月蝿い、変な茸を喰うわとこれまでに発生した問題で全てを台無しにして居る男だ。言葉を付けるなら『顔面詐欺』。
そして極めつけに自 殺趣味と来て居る。
敦から云えば「顔面と頭は良いんだけどなぁ……」だ。
そんな太宰が敦の肩に手を置き乍ら柔らかく笑い掛けた。
「谷崎君達が鏡花ちゃんの案内で路地裏の調査に行ったよ。出張に行ってる社長には国木田君が連絡して呉れてる。
ぼぉ〜っとして無いで、私達は彼等に話を聞かなきゃ」
「手当もしないとね」と太宰は付け足し、チラリと向こうを見た。
視線の先の二人は、小声で何かを話し合って居る。
(……そうだ。
何はとも有れ傷の手当と、話を聞かなきゃ)
何故、傷だらけであの路地裏に居たのか。
彼等は何者なのか。何があったのか。
聞く事は沢山ある。
此処は探偵社事務所だ。
人が死にそうに成る事件となれば、頸を突っ込むべきだ。
重傷の少女を見る限り、殺人未遂の対人事件。
瀕死の傷となれば、横浜の闇――裏社会が絡むかも知れない。
刀を下げた二人がボロボロになる程の案件。
近寄り難い二人だが……
敦は意を決し、医務室を見据える二人に近付いた。
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乙女になりたい。(プロフ) - お疲れ様でした!!とても楽しい作品でした!! (2020年10月11日 1時) (レス) id: a5fb63b44e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - あやとりさん» お久しぶりです、僕の方こそ有難う御座います!続編も合わせ、是非とも宜しく御願いします……♪ (2018年3月10日 22時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
あやとり - 焼きまんじゅうさん» ふわぁ…私こそ毎回この作品を楽しませていただいき本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年3月10日 20時) (レス) id: bfcb2a7bd0 (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - はい、複数人ならば構いませんよ!リクエスト有難う御座います……☆ (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
優梨奈(プロフ) - 粟田口と三条(でもいいんですかね?)でお願いします! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 7cf4248c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焼きまんじゅう | 作成日時:2017年10月9日 5時