番外編【the nights eternal】6 ページ11
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ハッと目を見開けば、そこは一面の闇だった。
自分の鼓動がわずかに速くなっていることだけを感じる。
その感覚が生々しく、これが現実であることを思い知らされる。
――…夢……
頭の片隅ではわかっていたはずなのに、どこからか夢と現実が混ざり合っていた。
半分は、自分の馬鹿げた願望だ。
それもわかっている。
それでも、一瞬だけでも、夢の中ではAを感じることができる。
たとえそれが、幻であっても…。
だがその分、現実へ引き戻された後の喪失感は大きい。
ついさっきまで、手を伸ばせば触れることのできる距離にいたはずなのに…―――。
喪失感と絶望に支配されたまま、重い身体をゆっくりと起こす。
それと同時に、右肩に激痛が走った。
「―――…っ」
銃弾の傷跡。
痛みと共に、思い出したくもない記憶がフラッシュバックのように蘇ってくる。
昼間の立体機動での応戦…
目の前で、一瞬の内に惨殺された部下の姿
飛び交う銃弾
予期していなかった再会
そう、最悪で…最低の再会だった――――
暗闇に慣れてきた視界に、ぼんやりと辺りが映り始める。
薄汚れた馬小屋。
地面に転がっている兵団のガキ共の姿。
サシャ以外は、おそらくそれ程眠れてはいないだろう。
特に、今日経験したことを考えればアルミンは……。
気休めに床に強いた藁が、チクチクと肌にささる感触に思わず顔をしかめる。
縫合したばかりの傷痕は、まだ熱を持っていた。
額に手を当てると、冷たい汗が指にまとわりついた。
まるで、さっき見た夢の残骸のように…。
そのままくしゃりと前髪を掴むと、痛みに耐えるように小さく息を吐いた。
ポケットの中の懐中時計を確認すると、まだそれ程時間が経っているわけではない。
ほんの少しウトウトしただけの浅い眠りだ。
もともと寝つきの悪い自分が、こんな場所で十分な睡眠がとれるはずもない。
側に置いてあった銃を手にすると、そのまま外へと出た。
月明かりが、辺りの木々を淡く照らしている。
小屋のすぐ近くに、銃を片手に座っている一つの人影があった。
後ろから近づくと、気配に気づいてジャンが振り向いた。
「……兵長…？」
振り向いたその顔も疲れているのが見てとれた。
「見張りを交代する。…お前は中で休め」
「…え？でも、まだ交代の時間には早いです。それに、兵長は怪我のこともありますし、少しでも休んだほうが……」
「…どうせ寝れやしねぇんだ。いいから代われ」
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つきみん(プロフ) - 2日間でシリーズ全部読み切っちゃうほど最高の作品でした...！！微笑ましいシーンと所々涙が止まらないシーンがどちらもすばらしくて、原作を読み切った時と同じ気分になりました...！言葉には表しきれないほどの神作品をありがとうございました！！ (11月26日 23時) (
レス) @page14 id: 44653e4d43 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - めっちゃ素敵で感動するお話でした。他にもたくさんのお話を書いてほしいです！！ (9月10日 20時) (レス) @page14 id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 番外編ではないほうを読みました！途中のエレンが泣いているところからつられて私も泣いてしまいました。この作品は神作品です！一生忘れません。 (9月10日 20時) (レス) id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - まややさん» コメントが遅くなってしまいすみません(>_<)シリーズを通してたくさんの嬉しいコメントをいただきありがとうございます！そしてこんな長い作品を読んでいただき本当にありがとうございました！自分でも長すぎてビックリです(^^;番外編はあと少しなので頑張ります！ (2020年10月27日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - ぐううううう泣なんでこんなに語彙力あるんですか。。すごすぎて。進撃の巨人の作者さんにもこれ読んで欲しい。感傷的な曲を聴いてたら泣いてしまいました (2020年10月24日 17時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
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