名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ31)

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これまでで初めて聞く、冷たくて低い声。
ビリリ、と空気が凍てつく。
予想外だった。でも、私の発した言葉で、ローは酷く腹を立てている、ということは理解できた。

「っあ、…………ごめ、なさい」

反射的に出た謝罪。なんでそんなにローは怒っているのか、どうしてさっきよりもっと怒ったのか、分からない。
でも、流れ的には私が悪いことをしたんだと思う。

「……っ！…………理解したならいい。」

ローさんは私の謝罪を聞いたあと、静かにそう告げた。それからとにかく傷を見せろと言ってくる。

……血を飲んだら治るってことはローも知っているのだから、そこまで執拗にしなくていいのに。内心そう思ったけれど、結局足の怪我を隠しているのは事実なので、ローの危惧は当たっている。

「だから、本当に大丈夫ですってば。」

でも、それを認める訳にはいかない。
私は、別に恩を売りたくてとか、逆に恩を返したくてとか、そんな理由で庇った訳じゃないから。

……誰かが傷つく所を見たくないだけの、ただのエゴだ。

「私は人より体が頑丈ですし、治りも早いです。それに靴は鉄製だって言いましたよね？
せいぜい弾丸の勢いでヒビが入った程度ですよ」

大嘘だけど、それを嘘にしない為に、痛みを飲み込んで私は立ち上がった。