名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ20)

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＿＿＿＿…

ローを巻き込むことを避けてパトーネを引き付けたAは、一体一で対峙し、さてどうするか、と考えていた。
唇に指を充て、ふむ、思考する。

相手は拳銃使い。狙撃手だ。私は比較的近、中距離が得意なアタッカー。
相性自体はあまり良くないだろうが、Aにとっては筋力ありきの格闘勝負よりも、ずっと散弾の雨の中を歩く方が得意だった。

「袋の鼠、って言葉を知ってるか？」

相も変わらず無表情のまま銃を構えたパトーネが、余裕のある声音でなじる。容赦なく引き金は引かれた。
売り物にしてやると言っていたが、それ程生かす気もないのだろうか。

弾道を目で捉えて、流石、1000万と低くは無い懸賞金がかけられているだけはあるか。と感心した。
先日の雑魚とは違う、脳天に2発、心臓、足、肩。正確に狙ってくる。

けど、正確だからこそ弾道を避けるのは私にとって容易だった。

まず5発の弾を避け、最短コース＿＿＿＿弾道上を走り、パトーネとの距離を詰める。その時初めて、パトーネの顔に焦りが浮かんだ。
2丁の銃から次々放たれる弾丸を、避けられるギリギリの速度で走りながら、距離を詰める。

更に3発の銃声。少し照準がブレているのを確認して、Aはほくそ笑んだ。

スピードを上げて一瞬にして距離を詰めたAは、彼の目の前で地面を蹴り、体をくるりと捻ってさらに弾丸を避ける。そしてそのまま、真っ直ぐに踵を振り落とした。

「……ごめんね、この靴、底が鉄製なの。」