名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ39)

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結果的に述べると、Aの仕事は、華麗で完璧なものだった。

敵のアジトは3階建てのありふれた建物で、それをぐるりと高い塀が囲っていた。
塀の内側や建物の入口には見張りもいて、さてどう侵入するつもりなのか、とAを見ていると、彼女は敵のアジトを見下ろしたまま、片手をすう、と前に出した。

そのまま、此方をちらりと一瞥し

「ではお先に。」と口角を緩め笑った。

その瞬間、彼女の体は指先から順に、黒く実態を星空に溶かしていった。そして闇になった部分から、蝶を形どって飛び立っていく。
無数の蝶になっていくその様子は、まるで闇に溶けるようで。
この湿度の高い、淀んだ空気が鎮座する街並みに似つかわしくないくらいに、優美だった。

まるで階段をとん、と降りきったような動作で、Aは目的の建物の屋上へと降り立った。

彼女の能力は、見れば見る程良いな。
俺は能力を使わず、屋根から屋根へと飛び乗り、Aのいる屋上へと飛び降りる。

そうしてあっさりと2人揃って侵入し、
出会った敵は躱すか気を失わせるかして
どんどん中へ侵入していった。