名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ38)

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Ⅵ 魂を運ぶ鳳蝶ページ38

魂を運ぶ鳳蝶
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たましいをはこぶあげはちょう

その夜、時間ぴったりに現れたAは、
矢張り真っ黒な服で、フードを深く被っていた。

長かった髪もしっかりまとめ、底の厚いブーツを履いていることもあって、確かにその出で立ちだとまぁまだ小柄ではあるが一見では男か女か分からない。

「じゃ、最終確認ですが。」

Aは俺に一瞥をくれると挨拶も無しに早速本題にとりかかる。手際が良くて無駄がない。

「目的はこの国で王族と繋がり非道なビシネスを行っている人物……組織“幹部”の疑いがある人間の素性と居場所を知ることです。
欲しいのは情報。
今はまだその幹部に私達の目的を悟られたくないので、極力大きな騒ぎにはしない、でいいですよね？」

そう、難しいのは『騒ぎを起こさない』という点だ。
王族が関わっているような案件。
俺たちが回るアジトは末端の下っ端のアジトだったとしても、正面から侵入して全員なぎ倒す、なんてことを毎回毎回していたらあっという間に騒ぎになってお尋ね者だ。

そうなった場合、おそらくその“幹部”も姿を隠してしまうだろう。

「あぁ、手順は侵入、潜伏、情報の収集、脱出。でいいな」

「ええ。ヘマしないでくださいね」

「こっちの台詞だ」

お互いに、ニヤリと笑ってアジトを見下ろした。

まぁお手並み拝見だな、くらいにローは思っていた。