放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ29)

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いたくそれを経験済みの3人は呆れ顔だ。さぁどう出るかな、とAと我が船長、ルフィの様子に、皆がそれなりに期待を込めて見ていたと思う。かくいう私も、さぁどれだけ耐えられるかな、なんて。ルフィが意見を通し切ること前提でその様子を見ていた。
そんな中、Aがふにゃりと笑った。

「ルフィさんの仲間だなんて、絶対楽しそう！」

「だろ！？絶対楽しいって！！よし！決まりだ！海賊やろう！」

おっと、まさか、と目を見開く。
そんなテンポで仲間になるなんてこと、と声をあげようと開けた口は、なんの声を発することもなく、ぽかん、と空いたままになった。

「絶対無理！」

それまでの笑顔を全く崩すこと無く、あっけらかんと。言い放たれた言葉は、柔らかい声と華やかな笑顔とはすこしズレているような、強い確信を乗せた否定だった。

「ふふ、でもごめんなさい。実はね、私、一生着いて行こうって心に決めた人がいるの！だからルフィさんの仲間にはなれないや。」

にこにこと笑うAの笑顔は、一片の曇りも迷いも無ければ、嫌味に感じる事も全く無い。悪意もない。ただ純粋で素直で、そしてあまりにも嬉しそうな笑顔。

全員がぽかん、とAの笑顔を眺める。というか、惚けていた。私もだけど、これまたびっくりすることに、ルフィも。

「……そっか、なら仕方ねぇな！」

「うん！でも誘ってもらえてすっごく嬉しい！」

駄々をこねるのかと思ったルフィは、にしし、と笑ってあっさりと諦めた。もう驚きすぎて顎ががくんと外れそうだ。ルフィがこんなにあっさりと身を引くなんて。