放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ19)

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はちみつミルクは黄金色ページ19

メンバー全員を乗せたポーラータング号は

ゆるりと今日も海を行く。

そんな日常の、なんでもないある夜の話。

はちみつミルクは黄金色
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◆ローside

「ロー」

ソプラノと言うには少し低い、でもどことなく女らしい華やかさを含んでいる声が、俺の名を呼んだ。Aの声は、少しもかすれることない、透明感のあるよく通る声だ。
でも煩い感じがしないのは、彼女が時と場合によって音量や声の出す方向性を変えているからだろう。

デスクに向かってペンを動かしていた俺の手を止めたのは、船員の殆どが寝て静まり返った今の時間にふさわしい、竪琴にでも合いそうな落ち着いた声だった。

「夜更かししすぎだよ」

「お前もだろ」

「私はいつも寝てるもん」

今日は昼寝しすぎて寝れないだけ、とAは口角を緩めた。

マグカップを片手に船長室のドアに凭れていたAに「入れよ」という意味を込めて顎をくい、と動かすと、Aはゆるりと穏やかな調子で中へと入ってきた。

「なんの研究」

「研究じゃねぇ、ちょっとした読書だ」

「ふーん…腹部銃創…散弾銃の、こりゃ酷い」