【ONEPIECE】吸血鬼は死の外科医に拾われる【リメイク前版】 (ページ27)

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連れて行かれた場所が何処だったかも、私はよく分からない。

そこで私は過酷な戦闘訓練を受けさせられ、様々な教育をさせられた。

ろくに食事も与えられない酷い拷問の日々は思い出したくもない記憶だし、言葉にしたくない。

それでも必死に私は与えられた仕事をこなした。出来が悪ければ売り飛ばされる。利用価値があると判断されることが出来れば、とにかく生きては居られるのだ。

そうしてなんとか生き延びる事数年、『利用価値アリ』と判断された私は、その“組織”の運営する娯楽施設で働かされることになった。

評判が悪ければ殴られるのはそれ迄と変わらなかったけれど。良いパフォーマンスをすれば褒められた。

悪魔の実はその時余興の一環でとある客に食べさせられた。酷く屈辱的な思い出だけれど、それが私にとっては転機になったのだ。

私は能力を駆使してなんとかその施設を脱走し、命からがら逃げ果せたのだ。施設を逃げ出したのは12歳の時。

その時、私は生き別れた兄を探して旅をすると決意した。
だってもし、今もどこかで生き地獄を味わっているのならば、私が助けてあげたい。

兄が競りに出されたのはもう随分と昔の話で、その行く末を辿るのはかなり難しい。だから、まずは私達が連れて行かれたオークション会場を割り出す必要があった。
その会場さえ分かれば、過去の兄が誰に売られたのか分かる。あとは足取りを辿るだけだ、と。