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side -sakura-









『……はぁっ…はぁ…っ』






忽然と聞こえてきた息遣いに全員が集中すると


その目線の中心にいたのは


胸元を抑えてしゃがみこんでいるAの姿だった






「A?!」






急いで駆け寄って顔を覗き込むも


その目は恐怖の色に染まっており


焦点が合うことはない




何度呼びかけても応答がないAから


甲斐くんは戸惑うように目線を先生へと戻すと


また怒りを露わにして声を上げた






甲斐「……なに笑ってんだよ」






見るとそこには


状況に似合わないほど口端を釣り上げて笑う先生の姿があった






狂気だ






甲斐「頭おかしくなっちま…」


バァンッ!!!!









その瞬間


凄まじい音を立てて教室後方のロッカーが大きく歪む




それを見て


みんなが腕時計を持っている里見くんへと視線を移すが






甲斐「何だよ今の!」




里見「いや俺じゃねえよ!」






先生は驚倒している彼らを押し退け


落ちていた眼鏡をかけ直すと


机の上に足をかける






柊「俺がお前らの動きを見て


何も警戒してなかったと思うか?」






そう言ってたくしあげられた足首には


里見くんが持つものと全く同じ形の腕時計が着いていた






柊「こっちが本物だ




それはただの時計だよ」






抑えられていない方の腕で足首の腕時計を押したのだろう




陥落している様子の彼らをよそに


先生はAの近くへと進み背中を摩る






柊「A、


コッチ見て」




『……っ…せんせ……』




柊「ああ


俺は大丈夫だから




それに


ココにあの人(・・・)はいないよ」






"あの人" とは一体誰のことなのだろう






柊「ゆっくり、深呼吸して」






先生が言い聞かせるようにそう言うと


自然とAの呼吸も収まっていった






『……も、う…大丈夫です…』




柊「よかった」






先生は今まで見せたことのないような優しい笑顔で


数回Aの頭を撫でた




何故、先生の声は真っ直ぐにAへと届いたのだろう









というか、


先生さっき名前で…

.→



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めぐちゃん - 私は36才です (2020年1月3日 21時) (携帯から) (レス) id: 0760400581 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - めぐちゃんさん» ありがとうございます、励みになります!私は17歳ですよ。 (2020年1月3日 21時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - 佐藤。さん» 私は佐藤さんの作品を毎日楽しみに見ています佐藤さんは歳は何歳ですか教えて欲しいです (2020年1月3日 15時) (携帯から) (レス) id: 0760400581 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - アオイさん» 身に余るお言葉です…!ありがとうございます! (2020年1月3日 10時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - めぐちゃんさん» あけましておめでとうございます!頑張ります! (2020年1月3日 10時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年11月30日 3時

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