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side you
嫌な気を感じる。これは妖の類?いやいつもよりももっと強大な……?
「……ッ!……!!」
通りの方から何やら叫び声が聞こえる。聞き覚えのある声。
「……坂田、様?」
次の瞬間、弾かれたように私は走り出した。どうか、どうかご無事でと強く祈る。
通りに入った途端、目に入ったのは夜でも目立つあの赤髪と大量の妖たち。
「……百鬼、夜行」
最悪だ。兎に角、坂田様を。坂田様を救い出さなければ。彼の方に駆け出した瞬間、手で制される。
「ッ、如何して!」
「来るな、Aッ!」
「ふーん、君が鬼道Aちゃんかァ」
するとゆっくりと妖の中心にいた猫又がこちらに近づいてきた。しまった!という表情を浮かべた坂田様。男を追おうとするが他の妖のに捕まって動けないらしい。
「初めまして、Aちゃん?」
ぐっ、と顎を持ち上げられ翡翠の瞳が私を捉える。さすが上位の妖、と言ったところかその顔はいやに整っていた。
「……綺麗な目、してるね」
「え?」
軽く抱き上げられて身体が少し宙に浮く。
「せんらまんせんらまん、作戦変更」
「なんです?」
「この子、連れて帰るよ」
「え、ちょっ」
このまま連れ去られてはまずいと慌ててもがくが流石の怪力の前に身動きすら取れなくなった。
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飴依存症の人*神作掘り出し隊(プロフ) - すげえ…どれも良かったけど菊花さんので泣いちまったよ…。 (2019年9月13日 16時) (レス) id: 9ac419bf0d (このIDを非表示/違反報告)
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