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side you

彼の屋敷から離れて小さく溜息を吐く。確かに坂田様は強い。この町の男では一番であろう。

(……でも最近の妖は、何かが可笑しい)

幾ら彼でも複数相手に無事では居られないはずだ。私は彼を護りたい、護らなければいけないのに。


私は再び大きな溜め息をついた。

***

「……頭でも冷やすべき、よな」

Aが去ってから何をしても手が付かず夜も深くなってしまった。少し夜風にでも当たろうとそっと障子を開いて外に出た。

「……ん?」

少し歩いた先に何かの気配を感じた。刹那何者かに袖を引かれた。

「なんか用か?って……チッ」


袖を引いていたのは醜い小鬼。直ぐに距離を取って懐の刀を取り出してその腹に突き立てる。そうすれば直ぐに小鬼は叫び声を上げて消滅した。


「おーお兄さんやるね〜」
「誰やお前」

小馬鹿にしたような男の声が路地に響く。声のする辺りを睨み付けているとやがて猫又の男が姿を現した。

「ねえねえせんら、こいつ誰か知ってる?」
「あーあれでしょう?手紙に書いてあった男」

せんら、と男が呼びかけるとまた暗闇から一人の狐姿の男が姿を現した。金色に髪は彼が人ならざるものであることを裏付けるように月に照らされてきらきらと輝いている。

「えまじ?俺あの女の子にしか興味無さすぎて記憶ないんだけど」
「まあこいつならあの子の居場所、知ってるんちゃう?」
「あ〜…………ねえ、お兄さん」

緑の猫がこちらに向かって口を開く。




「……鬼道Aって知ってる?」

*→←【うらたぬき,坂田】夜に溶けろ。/みつい



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飴依存症の人*神作掘り出し隊(プロフ) - すげえ…どれも良かったけど菊花さんので泣いちまったよ…。 (2019年9月13日 16時) (レス) id: 9ac419bf0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年9月11日 21時

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