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【うらたぬき,坂田】夜に溶けろ。/みつい ページ15

「坂田様、坂田様」

来客の合図として破れた障子が軽く揺れる。俺は小さく溜息をついて障子を軽く開いた。

「……またあんたか」
「またとは何ですか。私はただ坂田様のことを想って行動しているだけですのに」

目の前の女──鬼堂Aは長い前髪の間から妖しく金色に光る目を輝かせながら不満げに俺を睨みつけた。

「どうせまた妖避けの類いやろ?ンなもん俺には必要ない言うてるやん」
「ですが最近の妖は様子が違います!いくら坂田様であっても……」
「で、あっても?」


「……簡単に、喰われてしまいます」

隙間から覗く金色が真剣な光を宿す。小さく俯いたのか黒髪がはらはらと肩から零れ落ちた。

「帰れ」
「如何してですか!?私はただ坂田様が心配なのです!」


俺の腕を掴んで必死に奴は縋る。長い前髪のせいで表情は分からないが泣きそうな顔でもしているのだろうか。


「お前は口で言うだけじゃわからん奴なんか?」

舌打ちとともに軽く札を向けると彼女は悔しそうに唇を噛んで俺から一歩離れた。


「……失礼、致しました」




(……そんなに、そんなに俺は頼りないんか?)


***

「ねーねーまーしー」
「うらたさん五月蝿い」
「かーまって」
「五月蝿い言うてるやろ」

天狗の紫水晶が妖しく光る。俺は静かに身の危険を察知して彼から一歩離れた。


(ちょ〜っと、怒らせすぎちったか……?)

「なぁうらたん」
「なに」
「此奴、知ってます?」

静かに俺と志麻くんの間に割り込んだ狐が一通の手紙を此方に見せた。手紙には一人の女の姿が描かれている。

「だれこれ、せんらの知り合い?」
「ちゃうやろ〜……俺の好みではないな」
「しまくん黙って。此奴は妖退治を生業にしてるらしい女です」
「ふーん、それでこれがなに?」


「実はこれ、上層部からのお達しでして」


紫と黄が怪しく光る。


「……久しぶりに面白くなりそうじゃん」



俺は俯いて静かに口角を上げた。

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飴依存症の人*神作掘り出し隊(プロフ) - すげえ…どれも良かったけど菊花さんので泣いちまったよ…。 (2019年9月13日 16時) (レス) id: 9ac419bf0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年9月11日 21時

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