検索窓
今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:8,714 hit

ページ9

「A」

「な、何」


あらきに突然話しかけられる。今は昼休み、ご飯も食べ終わって友達と喋っていたところにあらきが現れた。

昼休みに話しかけるとか珍しい……


「今日一緒に帰ろう」

「い、いい、けど」

「俺、今日掃除だから下駄箱で待っててくんね?」

「分かった」

「じゃーな」


そう言ってあらきは友達の所に戻り、談笑を再開する。


「……あんたも隅に置けないわね」

「るっさい」

「てかA、あらきくんに対してツンデレ過ぎない?」

「はぁ?」


友達に図星を突かれ、素っ頓狂な声を出してしまう。確かにあらきに対してはツンデレっぽくなっちゃうけども。


「別にツンデレ過ぎることはないけど」

「いやいや、ツンデレ過ぎるわよ」

「そうかな…」

「ツンデレ過ぎるのも結構ヤバイわよ」

「…え、」


結構ヤバイと友達にガチな顔&ガチトーンで言われ流石に私も焦りを覚える。


「私のお姉ちゃんね、Aとあらきくんタイプのカップルだったのよ。最初は上手くいってたんだけど、半年過ぎたら辺りから雲行きが怪しくなり始めたの」

「…マジ、で?」

「ええ。そんで最終的には彼氏がこう言ったらしいの」


友達はやけに神妙な顔つきで言葉をポンポン発していく。


「──『お前さ、愛想悪すぎんだろ』ですって。そんで彼氏に別れ告げられた、チャンチャン」

「チャンチャンじゃないわよ!」

そんな恐ろしい話あってたまるか。怖いわ。世界中のどんなホラー映画よりも身の毛がよだつわ!!


「だいたい…私とあらきは上手くやってるよ」

「お姉ちゃんも初めはそう言ってたわ。でも最終的には別れたわよ?」

「うっ……」


確かにあんたのお姉さんは別れてしまったようだけども…私とあらきは違う!!ちゃんと上手くやってる……つもり、だもん。


「…まあようするに、何が言いたいかって言うとツンデレも程々にしときなさいってことよ。あらきくんと別れてもいいなら話は別だけどね」


ズズズ、といちごミルクを飲み干し紙パックをゴミ箱に投げる友達。


(確かに、ツンデレは過ぎてるかも、だよね…)


チラリとあらきの方を向く。あらきは友達たちと世間話で盛り上がっているようだ。

あんな風に、私も話せたらいいんだけどな…


──あらきは私なんかと一緒いて楽しいのかな。

付き合って3ヶ月目。初めてこんな考えが生まれてしまった。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 大型コラボ,合作 , 隠れた愛の言葉   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年8月14日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。