【歌い手】今宵、愛の言葉は隠された team.B【大型コラボ】 (ページ8)

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(ああやってたまに見せる笑顔が可愛いんだよな…… )

一人ベッドの上でゴロゴロしながら寝返りを打つ。あんな風に普段から笑ったり照れてくれねぇかな……

ただでさえAはツンデレだし。しかもAのツンデレはツン9.9割、デレ0.1割というごく稀にしかデレを見ることが出来ない非常に厄介なツンデレなのだ。

「どうすりゃ、もっとデレを見ることが出来るのかね……」

静寂に包まれた部屋でポツリとこぼす。

『合ってる！正解だよあらき！』

「っ……」

思い返すだけで顔が赤くなってきた。そういうことされると心臓に悪いからやめてほしいと思う反面、是非もう一度やってほしい気持ちが生まれてしまうのだ。

★☆★☆★

(なぁんか飲むもんねぇかな…)

冷蔵庫からキンキンに冷えたコーラを取り出しテレビを付ける。夏は冷えたコーラに限る。するとテレビはバラエティ番組で、カップルに関する特集をやっていた。

『付き合って何ヶ月目ですか？』

『3ヶ月目でーす！』

『もう、チョーラブラブです♡』

「キモッチワル…」

ンなバカップルの特集誰が見てーんだよ。俺も一応リア充だけどこんな奴らと一括りされたらたまったもんじゃねえわ。

てか三ヶ月目なのか。俺らも付き合ってだいたい三ヶ月目になる。

『ずばり、ラブラブの秘訣はなんですか？』

ラブラブの秘訣ってなんだよ。そこは『仲良い秘訣はなんですか？』とか聞くだろ。インタビューするアナウンサーにも苛立ってきた。

『そうですねー……初めカノジョは結構ツンデレだったんですよ』

『へぇー！そうなんですか？』

『でもある事をしたらビックリするほどデレデレになっちゃいました』

ヘラヘラしながらインタビューに答える男。見るつもりはなかったがツンデレ、という言葉につられて、いつの間にか見入っていた。

『ある日のデートの帰りにちょうど大雨が降ってきたんですよ。で、近くにバス停があったんで走って行って座ったんです。そしたらカノジョが寒がってて…それで、後ろから抱きしめて×××××って言ったんです。その時のカノジョの顔は忘れられませんね』

『やめてよ〜！恥ずかしいじゃ、』

すかさずチャンネルを変える。見てるこっちが恥ずかしいわ、バーカ。

…でも、良いこと聞いたかも。

あんな事して俺、嫌われねぇかな。でもA照れてる顔見てみたいし…

どうする、どうするんだ俺。