【センラ】星も月も/Elice ページ19
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「センラさん!映画見に行きましょう!!」
「は?Aちゃんどないしたん?」
「え、ちょっと辛辣すぎません?見たい映画あったんで一緒に行ってください。」
「…俺ら休み合う日あったか?」
「センラさんが予定開いてるならありますよ。」
「マジか。まぁその映画俺も気になってたし…行こか。」
なんて、憧れの先輩であるセンラさんと約束をしたのが1週間前。
そして、映画を見るのは今日。気になってたというだけあって意外と乗り気のセンラさんは
チケットや映画館など全て決めてくれた………のだが。
「肝心の本人が来ないなぁ…。」
今日だったよね、何てシフト表を確認したら今日は私もセンラさんも休暇設定になってる。
取引先からの電話だろうか、仕事では時間に正確なセンラさんが来ないのは…不安になる。
とか思っていたら、改札から誰かが走ってきているのが見えた。
あの人も、待ち合わせに遅れそうなのかなーとか思っていたらその人はこちらに来た。
「ごめん!営業先から電話かかってきて遅くなってもうたわ。」
「………センラさん?」
「そうやけど?何?なんか変?」
「い、いえ別に……」
変というわけではない、カッコよすぎて困るのだ。
いつものスーツの時と違って、髪の毛はイマドキという感じにセットされているし
服装だって、Vネックの黒いカットソーにカーキ色のカーディガン。
スキニージーンズは彼の足の長さを強調していた。そんな彼もなぜか私をジーっと見ていたが。
「へぇ、結構おしゃれなんやね。」
「その言葉そっくりそのままお返ししますよ。」
「ホンマ?そりゃ、結構しっかり選んだからな!」
んじゃ、行こか。なんて言いながら目的地に向かうセンラさんを改めてみる。
この人絶対、今年28とか嘘だろう。25とか言われても全然違和感がない。
私服になると若く見える人だ、センラさん。
「着いてこないと迷子になるでー」
「あ、ちょっと待ってください!!!」
「ほら、着いてきー」
なんて言いながらも歩き続けるセンラさんを慌てて追いかける。
何だろう、すごい得をしているというかおそらく絶対職場の人は誰も知らないセンラさんを
知れている気分だな、なんて変な事を思いながらも彼の隣で話しながら歩き続けた。
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