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あれからあっという間に時間が過ぎ、本番当日となってしまった。何回も練習したので、台詞は完璧に覚えたし、噛まずに言えるようにもなった。


劇は午後に一回だけ、体育館で行われる。その分お客さんも多くなると思うので、緊張してないと言えば嘘になるだろう。


「後ろ変じゃない?」

「うん、オッケーだよ」


秋ちゃんに衣装の最終確認をしてもらい、自分でも今一度確認してみる。普通に私の知ってる白雪姫の格好だった。あの青と黄色のやつ。頭のリボンまで作られていて、気合が入っていることがわかる。

円堂もちゃんとした王子様の衣装を着ていた。しかし、半田に円堂が王子様役ということを伝えたら「円堂が王子様!似合わねー!!」と大笑いしていた。相手が私だと知ったときも大笑いしていた。修也が小人役と知ったときも大笑いしていた。半田笑い過ぎじゃね。


「やばいやばい!めっちゃお客さんいる」

「失敗したら大勢に醜態晒すことになるなぁ」


山ちゃんと田中が余計なことを言うので、今になって緊張がMAXになってきた。


「そういうこと言わないでよ」

「ごめんごめん」


私が山ちゃんを小突くと、監督役(なんと監督役もいたのだ)から声がかかった。


「みなさーん。あと5分で始まりまーす」

「わかったわ。皆、とうとう本番のときが来たわね」


委員長が手を腰に当て、話し始めた。


「今までこの時の為に何十回と練習してきた。やるからには本気で完璧に。信じてるわ、皆のこと」


劇一つで大袈裟な気もするが、努力してきたことは事実だし、成功させたい。主人公が私っていうのもあるけど。


「皆さん、定位置にお願いします」


監督役の言葉を聞き、舞台袖でスタンバイする。


「ふぅ……よし」


小声で気合いを入れると、舞台の幕が上がった。

▽→←▽



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レイ - 続きお願いします! (2022年5月15日 17時) (レス) @page32 id: c51717b503 (このIDを非表示/違反報告)
冷(仮) - 葉兎野鳥さん» 私、この作品好きです!更新楽しみにしております! (2019年1月10日 1時) (レス) id: 43543d3530 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - 鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)さん» コメントありがとうございます。二人は基本的にそういうことが得意な設定です。仲は良いけど付き合ってません。お互い友達という認識です。男女の友情は成立します! (2018年12月3日 18時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)(プロフ) - 山田んと田中んいい仕事するなぁ…w (2018年11月24日 12時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - ぴーさん» 私もこの二人大好きです!いでよ、私のやる気! (2018年10月27日 19時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みどりんご x他1人 | 作成日時:2018年9月23日 16時

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