推しの綱海の妹になったんだけどこれなんてご褒美？ (ページ21)

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▽ ページ21

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「Aー。脚本できたよー」

昼休み、ゆるーい感じで山ちゃんと田中が姿を現した。

その手には、白雪姫と書かれたノートがある。

作るの早いね。

「いやー、授業そっちのけでこれ作ってたよー」

「二人で紙回してな！」

「授業中にやったんかい」

それはダメだろ。

そう思いながらノートを開くと、白雪姫の内容が具体的に綴られていた。台詞の上には、ナレーター1とか小人2とか記されている。

「へぇ。いいんじゃない？」

「反応うす」

一通り読み終わってから言うと、そんなことを言われた。

仕方ないじゃん。本当にふつーの白雪姫だったんだもん。

「ん？何だこれ」

ページの間に、折り畳まれた紙が挟んであった。

「何が書いてあんのー？」

そう言って紙を開こうとすると、パッとその紙を山ちゃんに奪われた。

「一応考えた別のストーリーだから、見なくても大丈夫」

「えー。見せてよケチ」

「田中が作ったけど思った以上に駄作だったから見ない方がよいぞ」

「はぁ！？んだと山田テメー！」

「うっさい！アンタの考える話はつまらなすぎる！」

二人共わやわやしながらどっか行ってしまった。仲が良いのか悪いのかわからない奴らだ。

次は移動教室だ。理科の教科書とノート、筆箱を用意し、席を立つ。

「修也ー、一緒に行こうぜ」

「あぁ」

丁度そこに修也がいたので声を掛けると、了承の返事を貰えた。やったね！

「待たせたな。行こう」

何これ。カレカノみたいじゃない？デートの待ち合わせみたいじゃない？でもデート場所が理科室は勘弁してほしい！

授業前に無駄なことをばかりが頭を過った。

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「おい。あんなとこに挟んでおくなよ」

「しょうがないでしょ、忘れてたんだから！」

「ていうかあんなことして大丈夫なのかよ」

「Aを喜ばすの！絶対にもう片方も喜ぶって！赤面よ赤面！」

「ないわー」

「黙れ」

理科室へ移動中の二人の会話。