13話 ページ14
あれから小一時間経った。やはり、豪炎寺は小さくてもサッカーが上手い。それでもまだファイアートルネードはできないようだ。
私もずっとサッカーをやり続けたかいがあったのか、幼い豪炎寺とまともにやり合えるくらいには上手になった。
「お前サッカー上手いな」
「うん。このくらいのときからやってたよ」
手の位置を自分の腰にずらしながら言うと、豪炎寺は微笑んだ。
「そうなのか。上手いはずだな」
あああ!!可愛いかっこいい両方!!
ちなみに、サッカーボールはついこの前、おもちゃから本物にしてもらった。しかし、毎日使い続けているため、もう土汚れがついている。新品のピカピカなサッカーボールではなくなってしまった。
「ねえ、そろそろあそこのベンチで休もう?」
「いいよ」
公園内にある小さめのベンチに並んで座り、言葉を交わす。
「俺、女の子でこんなにサッカーが上手い奴はじめて見た」
「そっか」
豪炎寺のその一言が妙に嬉しくて、どこかくすぐったい気持ちになった。
ああ、私は本当に豪炎寺のことが好きなんだな……。アニメキャラとしてではなく、恋愛対象として、本気で。
うーん、豪炎寺に恋……。
考え始めたら恥ずかしくなり、思わず顔が赤くなる。
「?顔赤いぞ」
「えっ、だ、ダイジョブ!そ、それより、なんで豪炎寺くんは沖縄にいるの?」
「旅行で来てるんだ。久しぶりに父さんが仕事休みになったから、みんなで沖縄行こうって」
そっか。そういえば豪炎寺のお父様は医者だったね。細かくことはあまり覚えてないけど、確か最初は豪炎寺がサッカーするのに反対してて、試合を観て賛成したんだっけ。どうだったっけ。ま、いいや。
「じゃあ楽しんでってね。ここは海がきれいだよ」
「今日泳いだ。気持ちよかった」
「でしょ」
夕日が公園をオレンジ色に染めていた。豪炎寺のご両親、息子がいないって心配してないだろうか。
とか思ってるけど私は豪炎寺と話すぜ!
「私のお兄ちゃんは海が好きでね、よくサーフィンをお父さんに教えてもらってるよ。すごくかっこいいんだ」
「………サ、サッカーの方がかっこいい」
「え、そ、そうね……?」
まさかそんな返事だとは思わず、そちらを向くと、豪炎寺が眉間に皺を寄せていた。
え、ごめん……地雷か何か踏みましたか?
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レイ - 続きお願いします! (2022年5月15日 17時) (レス) @page32 id: c51717b503 (このIDを非表示/違反報告)
冷(仮) - 葉兎野鳥さん» 私、この作品好きです!更新楽しみにしております! (2019年1月10日 1時) (レス) id: 43543d3530 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - 鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)さん» コメントありがとうございます。二人は基本的にそういうことが得意な設定です。仲は良いけど付き合ってません。お互い友達という認識です。男女の友情は成立します! (2018年12月3日 18時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)(プロフ) - 山田んと田中んいい仕事するなぁ…w (2018年11月24日 12時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - ぴーさん» 私もこの二人大好きです!いでよ、私のやる気! (2018年10月27日 19時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みどりんご x他1人 | 作成日時:2018年9月23日 16時