[妖怪ウォッチ] 龍が舞う番外編[シャドウサイド] (ページ4)

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「大丈夫？」

「うん、ありがとう」

終わりが近いのか、花火が沢山上がる。

それを見ている内に、だんだん強ばった体もほぐれていく。

「ハルヤも来てたんだ。

まあ、アヤメちゃんを追ってきたんだろうけど」

私の言ったことが本当だったからか、口許を上げて笑った。

「一瞬、分かんなかった。

Aがそんな浴衣着てるとは思ってなかったし」

「変······？

やっぱりこの姿じゃなぁ」

「いや、変じゃないっ。あ······えっ、と」

何か言いたげだった口をつぐんでしまった。

続きの言葉を待っていると、腕を伸ばして、人混みを指差した。

「ほら、迎えに来たんじゃないか？」

目線をハルヤから前に変えると、トウマが来た。

「本当にありがとう······あれ、ハルヤ？」

隣にいたはずのハルヤはいつの間にか消えていた。

「良かった、何もなかった？」

「え、うん。大丈夫！

······花火、終わったね」

結局なにも出来なかったな、と溜め息を溢すと

空を見上げていたトウマがポツリと小さな声で言った。

「花火は、Aと見たかったな」

「うん。私も皆と見たかった」

そう言えば、何故か苦笑していた。

「戻ろうか」

人もまばらになっていくなか、道を歩きながら見た空には

花火の代わりにでもなっているように、幾つもの星が輝いていた。