××さんと竈門兄妹 ページ42
「炭治郎達も大分強くなったね、禰豆子ちゃん」
「むー·······」
縁側に座って、月光を受けながら私の膝上で寝転んでいる彼女に問いかける。
桜色の綺麗な瞳が月光を受けて輝いていた。
そろそろ、此処から出ていくだろう。まだ彼らにはすることがある。
それはとても喜ばしいことだが、同時に物寂しい。
「あっ、禰豆子!駄目だろ、ちゃんと布団で寝ないと。すいません」
「良いんだよ炭治郎、隣においで」
涼しいよ、と隣をトントンと叩いて座るように言うと、素直に座った。
善逸たちはもう眠りについたんだろう。いつの間にか膝ですやすやと禰豆子ちゃんも眠っていた。
「炭治郎はよく頑張ってる。禰豆子ちゃんも炭治郎が誇らしいだろうね」
「俺は長男ですから、俺がしっかりしないと」
照れながら言う炭治郎。
正直、彼は自分の立場に、『長男』と言う立場に縛られているような気もする。
兄妹を持つ彼にとって、一番上が手本となるような行動をしたり、妹の為に我慢するのは良いことだ。
彼のことだから、きっと今までの辛かったことも泣きたいことも、『長男だから』と口癖のように
言って、自分に言い聞かせて、沢山我慢をしてきたんだろう。
けど、いつか自分の身を滅ぼしそうで怖かった。その言葉を聞くと此方が心が一杯になった。
長男がずっと我慢しなくちゃいけないなんて事はない。
甘えたいなら甘えればいい。周りが許さなくても、私は許す。
でもきっと、これからも過酷な状況がそれを許すことはしないだろう。
「······甘えたいときは、甘えていいんだよ。炭治郎」
だから、此処で目一杯甘えてほしいんだ。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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