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××さんと御館様 ページ16

日がもうすぐで完全に落ちる頃、Aは三人に留守を任せある人の元へ行った。

昼は外に出れない彼女は、他のどの柱よりも会う回数が少ない。




「御館様」

「おや、その声はA。もう夜になったのだね」



産屋敷の側へ行き、頭を垂れ、挨拶をする。


彼女にとって彼の存在は安らぎを与えてくれ、なおかつ名を与えてくれた親のような存在だ。

彼もまた、彼女を気にかけたり、可愛がっている。



Aは柱だけでなく、産屋敷をも魅了したのだ。




炭治郎たちが訓練を始めて二週間、大分強くなったことや現状を報告した。






「今日は良い事でもあったのかな?嬉しそうな声をしているね」

「あの三人が来てから、我が家は活気溢れています。とても楽しい毎日を過ごせているからだと思い

ます」


「それは良かった」



にっこりとお互いに笑い合う姿は家族そのものだ。


彼女が一人で住む所はあまり人がいない。

自ら一人になりたいと言う人間は、そうそういないだろう。しかし彼女は一人を望んだ。




否、望まざるを得なかった。



鬼の自分が、産屋敷の元へ訪れた日。二度と人の血肉を食べないと誓い、証明したあの日。

彼女は鬼である自分のもしもの可能性を、仲間を襲う可能性を恐れて、自ら身を引いた。



産屋敷はそんな自分を信じきれない彼女の気持ちを知っている。

本当は誰よりも皆と一緒にいたいという気持ちも。






「ねえ、A。自分の気持ちを押し殺さなくて良いんだよ?」




恐れる必要は無いのに、必要以上に疑い深く、自分を許せない彼女の性格を理解している産屋敷は

皆といることを提案した。



情けなさと申し訳無さ、自分の不甲斐なさに様々な感情が彼女の胸を張り裂こうとする。

ついにそれは涙となって溢れ落ちた。






「御館様っ······私、は、どうしたら、良いんでしょう······?

どうしても、自分が嫌で仕方無いのです、っ······」


「大丈夫、Aは良い子だよ。私の自慢の剣士(こども)だ」





優しく、己に打ち勝つ強さを持った彼女の震えた声を聞いた産屋敷は、

手探りで彼女の頬に手を伸ばし頬に伝っている雫を親指の腹で拭った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kaede | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 15時

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