間 違 い 電 話【梵天】

▽ ページ18

.



Aside


『………………竜胆さーーーん！！！！』


火傷しそうな程に熱い顔で、私は隣の部屋で寝ているであろう竜胆さんに助けを求めた。


蘭「Aちゃんは朝から元気だなァ、そんなに大声出したら竜胆だけじゃなくて三途達も起きちゃうよ？」


そうやって楽しそうに言う蘭さんは、イタズラ好きの子どもみたいだ。


『……いいんです！この際誰でもいいから早くこの状態から私を救出してほしいんですよ！！』


蘭「え〜、つまんないのォ。もうちょっとイチャイチャして………」


竜「おいコラ兄ちゃん、Aに何してやがる」


『竜胆さん(救世主)！！』



蘭さんが言い終わる前に、ドアを破壊しそうな勢いで入ってきたのは竜胆さん(私の救世主)。


竜「兄ちゃんさあ、Aをイジメんのはいいけど程々にしておかないとマイキーに殺られるぞ」


『……そっ、そうですよ蘭さん！！私には無敵のマイキーがいるんですからね！！』



竜胆さんの「殺られる」発言はよくわからなかったけど、蘭さんから離れられるならこの際どうでもいい。

早くこの状況をどうにかしないと冗談じゃなく私の心臓が過労死してしまうのだ。



蘭「大丈夫だって、マイキーはこの時間だとまだ降りてこないんだから♡ ていうかAちゃん、竜胆の言葉の意味わかってなさそうで笑う」


『そーゆー問題じゃないんですよ！！お願いですから離してください〜！』

　
竜「もういいだろ、離してやれよ兄ちゃん」


蘭「嫌(や)ーだね♡」


そう言って私の顔の横に自分の顔をあてる蘭さん。「ひえええええ！！！！」と、私の顔がさらに熱くなっていった…………その時。





？「どうした……？なんの騒ぎだ………？？」




いかにも眠そうな声。そしてその声に重なるように階段を下ってくる足音。












その正体は、紛れもなくマイキーだった。


蘭「やっっべ」


一瞬腕の力が弱まったのを見逃さず、私はさっと蘭さんから脱出した。



それと同時に、ゆっくりと扉が開く音がする。


マ「朝から何やってるんだ……？」


『あっ……はは、ちょっと食前の運動をしてて……ねっ、蘭さん？？』


蘭「お……おーおーそうなんデスヨ。なんならボスも一緒にやります？」


いつも通りにしようとして、逆にひきつった顔になっているのは気にしないでおこう。


マ「…いや、遠慮しておく。運動もいいが朝くらいは静かにしておけよ」





蘭「…………ウッス」



.

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←1日目.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す