45思い浮かばない感情 ページ45
イゾウの言うことはわかる。
しかし気持ちの整理がつかない。
『わかった、親父を必ず。海賊王に』
震える声を抑え、１６人の隊長を見上げる。改めて痛感する力の差。それ以上は自分がちっぽけに思えてしまいそうで足元を見る。
「A、こっち来いよい」
『やだ‥。』
「ほら、」
見慣れたサンダルとの距離が縮まる。下を向いたまま、ぎゅっと抱き付いたAの頭上から、くくっ‥と聞こえた優しい声。
「なんっでマルコなんだよ、」
「A！飽きたら俺んとこ来いよ！」
「ハルタ、悪ィな俺が先だ！」
サッチがごちそーさん！と手を叩きながら、騒ぐ皆の背中を押して離れてゆく。バタンとドアが閉まり、さっきまでの騒動が嘘のように波の音だけが心地好く聞こえるだけになる。
「A。こっち向いてくれ」
『マルコも私を降ろしたい？』
そう言って見上げたAの顔を見て、マルコに一瞬力が入った。このルビー色の瞳には一生勝てそうにはない。
小さく息を吐いて言葉を選びながら話し出す。
「んな訳ねえよい。皆そうだ‥
だけどそれよりもお前に何かあれば。
そっちのほうが怖いんだ俺たちも親父も‥
必ず親父を海賊王にして迎えに行くよい」
『すぐに飛んできてくれる？』
「当たり前だい、親父の次はお前だA」
その言葉と共に降ってくる、優しい口付け。
すぐ離れ無くなる温もり。その寂しさに体の中がグラグラと揺れる。
マルコは本当に優しい。付き合ってからは今まで以上に世話を焼かれ何でも言うことを聞いてくれる。
そう、大事にされているのは伝わるし幸せだ。
でも物足りない。さすがにこの先は私もわかる。なのにまだ、彼との関係は優しい口付け止まり、なのだ。
今も見たこともない優しい顔で私の頭を撫で空いた手で指を絡め手を握ってくれる。
ぼー、っとマルコを見上げていると夕焼けと重なり一瞬燃えるように紅く染まり何も見えなくなる。すぐに視界が戻れば切ない彼の瞳が近付いてもう一度啄むだけのキスをくれた。
「‥風が出てきた、冷えるから部屋へ戻れよい」
そう言って私の肩を撫で、マストの方へ歩いていってしまった。そんな最後まで体を疼かせる憎い背中を睨んで、部屋に戻った。
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(やべぇ‥あんな顔されたら
壊したくて仕方ないよい)
(お前ほんと忍耐力すげぇ‥まだあと半年か、
そして壊すのはあいつが18でも辞めてくれ)
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嫁子ちゃん。(プロフ) - 読者の皆様！こんにちは(^^)新しいアカウントになりました！末っ子ちゃん更新してますので、私に飛んで楽しんで戴けたら幸いです‥(*^^*) (2021年4月30日 9時) (
レス) id: 8e3cf6a3ac (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - マリンさん» 本当ですか？！嬉しい‥( ｡ﾟДﾟ｡)私も書きながら悶絶しております‥wちびマルコ。マリンさまの為に書きますよ！アカウント変わりましたが続編作りましたのでまた絡みに来てください！ (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - 蒼鳥さん» 毎回だなんて‥泣ける嬉しい(ToT)ありがとうございます‥！アカウント変わりましたが続編‥書きました！是非ともまた感想教えてください( o´ｪ｀o) (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！楽しみにしてもらえて光栄です‥！続編、アカウント変わりましたが作りました。良かったら遊びに来てくださいね(^-^)/ (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 二人がくっついて叫んでました(笑)ちびマルコ….！みたいです！ (2021年4月11日 19時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫁子ちゃん。 x他1人 | 作者ホームページ：https://Twitter.com/yomeko_zzz
作成日時：2021年3月24日 17時
