32どこでも可憐に(過去) ページ32
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「ほら、ここが食堂〜。ちょっと待ってろ」
そう言ったシャチは調理場の方へ向かう。Aは薄暗い食堂の丸椅子に座り、足をブラブラさせてぼんやりしていた。
向こうでご機嫌に鼻唄を歌うシャチ。この船の皆も優しいな、なんて思うけど‥も、って何でだろう。何と比べてそう思うんだろう。
モヤモヤしていると、何故だか急に心が、全身が掻き立てられ思わず顔を上げ立ち上がる。
カシャカシャと調理器具のぶつかる音、匂い。
シャチと二人だけの静かな空間のはずなのに、随分大勢の賑やかな声が聞こえた気がした。
「‥、おい！大丈夫か？顔色が悪いな‥」
『ううん、立ち眩みかな？‥それ私の？』
シャチが慌て駆け寄るがAは笑って首を振りマグカップを指差す。心配そうな顔で差し出されたそれをありがとうと受け取り立ちのぼる湯気に頬が緩んだ。ソファにドカリと腰を下ろし、大きなあくびをするシャチ。話せば、どうやら先程まで舵を握り、深夜の交代をしてシャワーを浴び自室に戻る所だったと言う。
それを聞き慌てて早く部屋に帰って眠るよう言ってもシャチは、まだ寝ねぇ！と腕を組み腰を上げなかった。
『何か身体が覚えてるみたい‥、』
「思い出せたらいいな」
少し離れた場所にあるソファでぽやぽやしながら話すシャチは本当に眠そうで、それでも付き合ってくれる彼のその優しさが嬉しくてたまらなかった。
可愛らしいハート柄の熱いマグカップを両手で包み、フーっと吹きながらゆっくり口を付ける。
コク、コク、と喉を流れ落ちる心地好い温度のそれは本当に美味しくてとっても甘かった。
『懐かしい‥なぁ、何でかな』
ポロポロと落ちる涙。始めこそ気が付かなかったシャチがこちらを見て、青ざめながら側に駆け寄った。
「え！？どうした？どっか痛いか？」
【お前の好きな蜂蜜入りだ、ゆっくり飲めよい】
見開かれたAの瞳。震える細い手首はマグカップを置いて、目の前のシャチに飛び付いてギュッと抱き付いた。
『シャチくん‥！‥っありがと、ありがと』
「はい？！！え、なに、ほんと！」
慌てふためくシャチだがしっかりその身体を受け止める。しかし泣いたかと思えば今は笑顔なAに、全く状況が掴めない。
すると、バーン！と食堂のドアが乱暴に開けられ真っ白な何かが飛び込んできた。
「‥‥キャプテン！シャチを切って！！」
『だめーーー！』
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嫁子ちゃん。(プロフ) - 読者の皆様！こんにちは(^^)新しいアカウントになりました！末っ子ちゃん更新してますので、私に飛んで楽しんで戴けたら幸いです‥(*^^*) (2021年4月30日 9時) (
レス) id: 8e3cf6a3ac (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - マリンさん» 本当ですか？！嬉しい‥( ｡ﾟДﾟ｡)私も書きながら悶絶しております‥wちびマルコ。マリンさまの為に書きますよ！アカウント変わりましたが続編作りましたのでまた絡みに来てください！ (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - 蒼鳥さん» 毎回だなんて‥泣ける嬉しい(ToT)ありがとうございます‥！アカウント変わりましたが続編‥書きました！是非ともまた感想教えてください( o´ｪ｀o) (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(aug)(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！楽しみにしてもらえて光栄です‥！続編、アカウント変わりましたが作りました。良かったら遊びに来てくださいね(^-^)/ (2021年4月12日 13時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 二人がくっついて叫んでました(笑)ちびマルコ….！みたいです！ (2021年4月11日 19時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫁子ちゃん。 x他1人 | 作者ホームページ：https://Twitter.com/yomeko_zzz
作成日時：2021年3月24日 17時
