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「あなたが悪いのよ。貴方が私そっくりに産まれてくるから。あなたがあの方のような容姿にならないから。あなたがあの方のように生まれてきたのなら私はあなたを愛してあげられた。そう、そうよ。全てあなたが悪いの。出来の悪いあなたが。嫌い、嫌いよ。出来の悪いあなたは嫌い。もしも愛されたいのならせめてあの方のように賢く、そして麗しくなりなさい。そうすれば私はあなたを愛してあげられるかもしれない」
フェデリコは傷付いた。だが、涙は出てこなかった。それはフェデリコ自信を全否定されたからかもしれない。ただ、どうしてもこうして自身に負の感情をぶつける母を嫌うことは出来なかった。愛したままだった。そうなれば、フェデリコのやることはひとつだった。
「うん、わかったよ。僕はあなたの望む人になる。だからその時は僕を愛してくれる?」
フェデリコの肩を掴んでいた手は力が緩み、腕を伝ってぶら下がった。そして母はぼーっとしている。うつろな瞳で見つめている。
「じゃあね、また、僕…私があなたの望む人になれた時」
彼は部屋を後にした。使用人にバレないように部屋に戻った。
それから彼は王のようになるため勉強をした。
だが、12歳。母親が脳梗塞から重度の昏睡状態になっていた。植物状態とまで入っていないが目を覚まさない。願いを聞いてもらう前に目を覚まさなくなってしまったのだ。
でもフェデリコは諦めない。まだ目を覚まさないと決まった訳では無い。なら起きたときのために努力するだけだ。
____そして彼は今に至る。
【好き/得意】
自分、世間一般的に綺麗や美しいといわれるもの(宝石や花、その他…)、純粋無垢な心、技術、チャイ。勉強、読書、新聞。
【嫌い/苦手】
欲に塗れすぎた者、虫(甲虫類)、カエル、血。争い。派手。「嫌い」、「絶対」。
【話し方】
「ああ、失礼。私はフェデリコ。フェデリコ・エマヌエーレ=プレナヴィエ。次期王の座を狙っている一人の人間だ。なんて言うが、なあに、と言っても形に過ぎないよ。如何せん私は残念ながら王の座はそれほど興味が無い。目立つことができるという部分では魅力的かもしれないがね。まあ、程々に頼むよ」
「おや、私の事を美しいと...?はは、よく分かっているではないか。そうさ、私は美しい。...そうだな、そなたにはちょっとした褒美をやろう。なに、そんな期待してくれるなよ。...ほら、キャンディだ」
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作者名:あんころもち。 | 作成日時:2020年4月9日 13時


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