プライドなんて、…ていうか素直とか。 (ページ34)

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sideA

眠い、寒い、浮遊感がある。

こんな三拍子が揃っているのにも関わらず
私は体育に参加している。

我ながらどうしてやっているんだろうと思う部分もあるけど、

自分の面子を保つためというか、プライド…のせいというか、
そんな感じで早退するなんていう選択肢は私にはなかった。

先生「はい、じゃあこっちにみんな集まって、
借り物の人ー」

女1「いや、先生言い方もうちょいあるでしょうに」

女2「なんかもう面白いしいいんじゃないかな」

女1「借り物の人とは」

女2「でもそのまんまじゃない？」

女1「それもそうか」

ああ、先生、私たちのこと呼んでるなぁ…

頭がぼんやりとして働かない、

あれ、、、くらくらする、

目の前が一瞬真っ白になる。ホワイトアウト…？
あれ、ブラックアウトだっけ、謎な思考をしていれば、

すぐそこに人がいることに気づくことはできない。

先生「Aさん、まって、危ない！」

え……？

ﾄﾞｻｯ

あ、誰かにぶつかっちゃっ……

ぐぎっ

地面に足がつけば、

変な音がした気がする、なんか、からだのなかで
関節を鳴らす感じのやつ。

あれ、もしかして私、足、捻った？

「…ごめんなさい、前、見えてなくて…」

女６「いや、こっちこそ気づかなくてごめん、

てか足、大丈夫？」

「うん、大丈夫……」

そういって立とうとするも、

やはり、立ち上がることができない上
なんだか眠くなってきたような気がした。

ああ、昨日眠ってないからか。
痛いのに眠いとかどんな極限状態なの……。

そう思っていれば、

「ごめんな、」
と聞き覚えのある優しい声が聞こえ、

急に浮遊感を感じた。