プライドなんて、…ていうか素直とか。 (ページ30)

今日:12 hit、昨日:19 hit、合計:24,886 hit

80% ページ30

そして……次の日になる。

アクシアと一緒に登校する。

ここまではいつも通りだったんだ。
そう、ここまでは。

靴の入っているロッカーを開ける。

なんだこれ。

いやまてよ、と思ってもう一回閉める。

開ける。

なんだこれ。(二回目)

なんか、うーむ、何て言えばいいんだろ？

雑貨屋とかに売っているレターセットのやつなのだろうか、
そんな装飾が施されている手紙が俺のところに入っていた。

人違いか？アクシアのとこにいれるやつと間違ったのか？

いや、もしかしたら自分からじゃ渡せないから
代わりに渡しといてください！！ってやつかもしれん。

ア「どうしたの、ローレンさっきからへんな動きして」

「いや、なんかうん、へんなの入ってたから」

ア「……、へんなの？」

そう言ってアクシアが俺の手からその手紙を取る。

ア「あ、これラブレターぽくない？」

やっぱ？？？やっぱそう思うよな、俺もそう思ったわ。
でもな、俺に向けてとかなかなか……

ア「見てみたらいいのに、」

「……、わかった」

ア「いや異常なまでに固まってんね？」

ローレン先輩、時間が合えばでいいのですが
16:45に中庭に来ていただけませんか…？

待ってます。

もろじゃん、もろがちの告白のあれやん！！！！！

え、まじか、…久しぶりだぞ、こういうの。

「アクシア、ラブレターであってる？これ」

ア「うーん、そうね、告白するから来て下さい系よな」

そう、だよな……と、俺は考える。

嬉しい。そういう感情は勿論ある。
こういうの勇気いるしな。

でも俺は現在進行形でAのことを好きなわけで。

せっかく言ってくれるのであろう後輩のこの子の
ことを考えると少し申し訳ない気持ちになる。

ア「…ローレン、正直な気持ち言っていいと思うよ、その子に、」

そう、アクシアが言ってきた。

ア「よく考えてみなよ、ローレンの気持ち、
ちゃんと言ってもらえないの
ってローレンのこと好きな女の子に失礼にならん？

好きな人いるから…ごめん、
ってちゃんと言った方がええよ」

…たしかにそうだ、自分自身に嘘をついてまで
告白を受け流して、…それは違うよな。

相手に失礼…そうだな。

「うん、ありがと、アクシア」

ア「ええんやで」

そうして俺は放課後、中庭に行ったんだ。

まさか彼女に見られているなんて
その頃は思っても見なかった。