私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

43.ごめんなさい ページ44

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｢桜、これ、なんだ｣


｢･･･知らない｣



定春と少し留守番をしてろ、と言って家を空けたのは1時間ほど前。


真選組は粛清に行き、他の頼れるヤツらも今日は忙しかった。


まだ幼い桜を留守番させるのに気は引けたが

そこは心を鬼にして、定春を置いて3人で家を出た。


おもちゃは出来るだけだしてやったし

好きなお菓子も、小さなおにぎりも置いて行った。


鍵も閉めて、もしものために下にも宜しくした。


そして、1時間。


帰ってきたら、テレビとジャスタウェイが破壊されてた。

うんなんで？


別に、そこはいい。

いや、良くないけど。


自分がやったと認めないことに、俺は怒ってます。



｢誰がやったんだぁ？｣


｢･･･知らない｣


｢桜｣


｢･･･桜がやった｣



やっと口を割った桜にふぅ、とため息をついた。


まぁまぁと笑いながら

散らかった部屋を片す新八とテレビをさらに破壊する神楽。



｢お前はなんで余計なことしてんの｣


｢壊れたものはとことん壊せって習ったネ｣


｢爺さん直してくれっかなぁ｣


｢･･･パパ｣


｢んー？｣


｢･･･ごめんなさい｣


｢ん｣



A、桜は謝罪出来る子に育ったぞ。

俺の子なのに。謝罪すんの。


あ、見て可愛い泣きそう。


うるうるとした大きな瞳から大粒の涙。


あーあー、と苦く笑えば

大きく口を開けてすがりついてくる。



｢銀ちゃんが桜泣かせたー｣


｢おいおい、ほれ、泣くな泣くな｣



よっこいしょ、と桜を抱き上げる。


俺の首を絞めんばかりにきつく抱きついてくる桜。

はい、可愛い。



｢･･･それにしても、なんでこんなんなっちまったんだ｣



神楽に余計にボロボロにされたテレビを見る。


しばらく結野アナ見れねぇなこりゃ。


なんか変だなと思ってたけど、

桜、普通の人より力強いよね？


5歳のガキがこんなこと出来ないよね？



｢･･･あいつの腹からなんでこれが産まれんだ？｣


｢なんか色々失礼ですよ･･･｣


｢銀ちゃんとの子供じゃなくて夜兎の男との子供なんじゃナイ？｣


｢ばっか言うなおめぇ！失礼だろうが！｣



未だに耳元で泣き叫ぶ桜の背をとんとんとたたき揺らしながら

3人でワーワーといつもみたいに会話をする。


ちゃんと謝れて、罪を認められる桜が、1つ大人になった日。


いつの間にか聞こえてきた寝息に、

3人で手を合わせて笑った。




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