私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

26.リング ページ26

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色んなことを話した。


病気のこと、銀時と離れてからのこと、子供のこと、全部。


話すことはなくならなかったけれど、ふと外を見たら

既にそこにはオレンジ色の世界が広がっていて、


私と銀時の目は真っ赤だった。



｢銀時･･･｣



私が話してる間、ただ、頷いて相槌を打っていた銀時。


少し心配になって名前を呼べば、彼は私を見て微笑んだ。


その微笑みが、どうしようもなく悲しそうで

私は、どうすればいいのか分からなくなった。



もう一度、名前を呼ぼうとしたけれど

彼はそれを遮るように、声を発した。



｢じゃあとりあえず、籍入れっか｣


｢･･･え？席？｣


｢うん、籍な。･･･ちゃんとよ、俺の女になってから逝けよ｣



嬉しい言葉に、抵抗しそうになる。


そんなことしたら、あなたは新しい人と恋なんてできなくなる。


だって、俺の女はあいつだけだ、なんて、らしくもないキザなこと言うでしょ？

そんなこと言って、ずっと私を追いかけるんでしょ？



そんな、抵抗的な言葉が浮かんだ直後、

そうであって欲しいと願う私が、私を止めた。



｢･･･これ｣



そう言って、私の左手の薬指にはめられたのは

ピカピカと光ったリング。


家賃も払えないのに、給料も払えないのに

頑張って、色んなことを我慢して、


血だらけになりながら、汗をかきながら、

色んな人を上手くあしらいながら


私のために、お金を使ったんだ。


こんなの、受け取らないわけにいかないじゃない。



｢俺は、お前が死んでからも

一人の女としてお前以外愛さねぇよ。


それから、唯一の俺の子として、

腹ん中の子以外要らねぇよ｣




まるで私の考えていることなんかお見通しとでもいうように

そうやって私を安心させる銀時に


あぁ、やっぱり、私にはこの人しかいないんだよな、

私に幸せをくれるのは、この人しかいないんだよな、


そう、思わせた。





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