私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

14.知らない ページ14

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あの日、あれから直ぐにみんなは帰ってきた。


少しボロボロになったみんなを手当して

何があったのかを聞いて、いつも通りに安心した。


いつも通りじゃないのは私だけで、不安になった。


あれからもう2ヶ月も経ってしまった。


いつ死ぬかも分からないのに

未練を残し続けて、あと一日を繰り返した。


ある木曜日、銀時と私だけの万事屋銀ちゃんで

私は、そんな生活に終止符を打った。



｢銀時｣


｢んー？｣



見るからに痩せた腕を隠して

重たい頭を動かして。


こんな日に限って、体調が最悪だった。


それでも言うんだ。

だって、そうしないといけないと、分かっているから。



｢どした？｣


｢銀時、別れよう｣


｢･･･は？｣


｢別れよう銀時。私、疲れちゃった｣


｢A｣


｢万年金欠だし、家賃払わせてくるし

いつまでも恋人だし、いっつもだるそうだし、口が悪いし｣



嘘、嘘、嘘。

全部好き、そんなところも全部、好き。



｢もっと、いい人いるし｣



｢A｣


｢疲れたんだ銀時。･･･他に好きな人もできた。

自分勝手でごめ｣


｢A｣



目は、合わせられなかった。


分かってる、さっきから、私の知ってる銀時の表情はない。


私に向ける本気の怒りを、私は知らない。

私に向ける本気の悲しみを、私は知らない。


痛いほどつき刺さる視線に、涙が出そうだった。


だめだよ、泣いたら。


昨日、私達はいつもみたいに抱き合って愛を囁きあったのに

それなのに、こんなの、私、最低でしょ。


おかしいでしょ。


最後に、あなたを求めてしまった私を許してね。




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