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36、痛い ページ36






総悟に無理やり持ち上げられて

ドスンっ、とベッドに投げられる。


こんな時にS発揮すんなと。

痛いことも言えず、怒ることも出来ず、されるがまま。


睨む元気もない。


起きて早々血を吐くなんて最悪。


やっと来た看護師さんが

3度目でやっと点滴を上手く刺してくれる。


これはまだ解毒してたらしい。

毒は未だに体を回ってて、解毒しないと死ぬらしい。


もっと早く言え。



「んで、何で揉めてんたんだ?」


「怪我人の前でタバコ吸わんでください」



見舞いの人用の椅子に座った土方さん。

当たり前のようにタバコに火をつける。


この人にゃ言ったって聞かない。

だって、病人ではないから。



「怪我とタバコは関係ねぇだろ」



ほーらね。



「・・・一般市民10人」


「・・・ああ」



土方さんは驚きもしなかった。

その一言で、全てを察して、返事だけ。



「お前は別に咎められねぇよ」


「・・・違います。いっそ、逮捕された方がマシ」


「知らなかったんだ、仕方ねぇだろ」


「仕方ないて済ませられますか?!」


「こんな手段を使ってきたやつは今まで立っていたはずだ。

お前は運良く切ってなかっただけでな。


あっちゃならねぇ事だが、よくあることだ。


どうせ俺らは死んだって地獄に行くもん同士だろ」


「・・・だから、なんの罪も無い人斬ってもいいってんですか」



ちら、と私を見た土方さんは、心底面倒くさそうにため息をついた。

・・・心底面倒くさいんだろう。



「仕方ねぇっつってんだ。お前は知らなかった。

敵だと思って切った、でも違った、そんなもんあとから考えたって意味ねぇだろ。


・・・俺らは、お前が生きてたことが、一番重要なんだよ、分かれ」



また、そうやって、何も言えなくなることを。



「それなのに、目覚めた途端他人の心配だ、いい加減にしろ。


何回馬鹿すりゃ気が済むんだてめぇは」


「・・・生きてて、良かったんですかね」



今までだって人は殺してきた。


でも、言ったらなんだが、これほどの自分への嫌悪感はなかった。

それが絶対正義とは言わない。


けれど、自分の正義だ。

ここで、みんなとしていることは。


でも、今日私がしたことは違う。

それなら、罪を償うべく、毒で死んでしまった方が良かったんじゃない?


そんなことを考えてる私の頭を、総悟が思いっきり叩いた。



痛いんだけど。





37、地獄→←35、10人



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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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