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19、惚れた女 ページ19






相当大きな取引だったんだな。

そりゃそうか、麻薬、なんて。


もたつく足をはっきりさせることを意識して

死体の中に駆け込んだ。


土方さんがいた。

あっちもボロボロだな。


安心したのもつかの間、土方さんの後ろに見える黒い影。



「土方さん!!!」



咄嗟に叫びそいつを斬る。

そいつの手から離れた刀がまた肩に触れた。



「てめ・・・」


「傷だらけじゃないですか。鬼の副長が聞いて呆れますね」


「・・・なんで来やがった。・・・あいつのそばに居てやれよ」


「・・・ばかだな、あんたは。

あの人のそばにいないといけないのは、総悟と、あんたでしょう。

惚れた女の扱い方もわかんねぇ様な男がかっこつけんなよ」


「言ってくれるな」


「私はガキだけど、ずっとあんたらといたんだ。

土方さんのことも総悟のことも近藤さんのことも、手に取るようにわかるよ。


土方さん、怒りに任せて刀振ったら怪我して当然」


「よく見りゃお前も傷だらけだが」


「当たり前でしょう、早くミツバ姉さんに会いに行かなきゃ。

何より私、怒ってるんで」


「どの口が、だな」



土方さんに背中を預ける。


私たちは敵に包囲されて、呆れて笑えてきた。

まだこんなにいたのか。



「残念です、ミツバも古い友人を亡くす事は悲しむでしょう。

あなた達とは仲良くやっていきたかった。

真選組の後ろ盾を得る為に縁談まで設けたというのに、まさか病気持ちだとは残念だ。

愛してましたよ、道具としてですが。

あのような欠陥品に人並みの幸せを与えてやったんです、感謝してほしいですよ」



上から私たちを見下ろしていた蔵場。


あぁ、あの時見れなかったてめぇの面、今ならじっくり見られるよ。

クズだ、クズなんだこいつは。


姉さんの旦那だからとか、そんなお情け必要ない。


私は認めたくなかったんだ

姉さんの信用してる人がこんなやつだって。


でも気づいたよ。

てめぇは、くずだ。


私は昔から、素直で純粋な子より

クズでクソなやつとの方が目を合わせられる。



「殺す。ブッコロ。

姉さんは欠陥品なんかじゃない。道具なんかじゃない」


「俺ァ、外道とは言わねぇよ、俺も似たようなひでー事腐る程やってきた。

挙句、死にかけている時に、その旦那を叩き斬ろうってんだ、ひでー話だ。


・・・俺ァただ・・・惚れた女にゃ 幸せになってほしいだけだ」




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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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