12、背負うもの ページ12
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｢旦那、知りたがってましたよね、私のこと｣
｢誤解が生じるね？やめて？｣
｢私、両親を子供の時に亡くしたんです。
あの頃はもう天人と攘夷志士がやり合ってました。
それなのに、私達は小さな天人を匿ったんです。
怪我が治って、健康体になったら返してあげようって｣
｢･･･攘夷志士か｣
旦那の言葉にこくりと頷いた。
バレたのだ。
攘夷志士に、天人を匿っていたことが。
その日私は総悟と遊んでて。
家の前に着いた時
いつもと違う雰囲気、匂い、嫌な予感。
天人も、親も死んでた。
もう既に体は冷たかった。
｢何より先に近藤さんの所に走りました。
その頃は若かりし頃のミツバ姉さんに憧れてお淑やかになろうとしてたけど
そんなことどうでも良くなって、剣を教えてくれと頭を下げました。
そこからは、毎日鍛錬して、ミツバ姉さんと総悟と日々過ごしました｣
｢なるほど、だから総一郎君とお前はあんだけ仲良いわけだ｣
｢いや、良くないけど、少なくとも総一郎君とは絶対に。
･･･それから江戸に出たんです。その時に色々あって
元々仲良くなかったあの2人の仲はさらに悪くなったけど。
振り返らずに、ミツバ姉さんを置いて。｣
あの日、ミツバ姉さんは土方さんに想いを伝えた。
でも土方さん、強く突き放してたな。
あれはきっと、不器用な土方さんの愛情だった。
だからって、言い方ってもんがあるけど。
｢それで、今何が起こってる｣
｢蔵場は闇取り引き商人です。取引は明日。
土方さんは、そこをしょっぴくつもりなんだと思います｣
旦那の目がわかりやすく開かれる。
私はその表情に眉を下げて微笑んだ。
｢姉さんは、きっと病院に行って、もしかしたら入院するかも。
そんな状態でもきっとあの人は実行します。
今のところ、私は裏に回ってなぎ倒しに行く予定です｣
私の言葉に、なんだか考えるような表情になる旦那。
私はその旦那を真剣に見つめて
歩く足を止めた。
その素振りに、旦那も私の1歩前で足を止めた。
｢旦那、お願いします。ミツバ姉さんを。
あの人、本当はきっと1番寂しがり屋で、1番辛いんです。
笑って、他の人のことばっか。
ミツバ姉さんの、やっと手に入れた幸せを奪う
その行為は決していい事じゃない。最低だ。
きっと総悟は激怒します。ミツバ姉さんにも罵られるかも｣
それでも、これは土方さん1人が背負うもんじゃない、私は、そう思います。
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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます！すっごく嬉しいです！これからもよろしくお願いしますー！ (2021年2月9日 7時) (
レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです！忙しいと思いますが、作者様頑張ってください！ (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年1月30日 23時
