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8.会いたい ページ8






「あーお腹いっぱいー」


「おめぇもっと食えもっと、そんなんだから身長伸びねぇんだよ」


「あーそれ言ったー。

言っとくけど今朝小太郎にそれ言われて私の華麗なる回し蹴りお見舞したんだからね」



銀時のおしりも真っ赤になるからね!と文句を言うA。


桂にご愁傷さま、と心の中で伝え

食器を提げに動き出す一同。



「やっぱり神楽は沢山食べるね」



神楽の前に置かれた中身のない炊飯ジャーを見て感心するA。

コメの1粒すらそこには残っておらず、偉いなぁ、と心の中で褒め称える。


まだまだ食べれることをAに伝える神楽に

Aは素直に凄いね、と神楽の頭を撫でてあげる。



「初めてAのこと年上って思ったアル」


「なんで!一周りくらい違うじゃん!」


「精神年齢はAより上ネ」



今度は心から傷ついたA。


わかりやすい表情に神楽はクスクスと笑った。


食器を洗いに台所に向かうと

既に銀時がそれを始めていてAは慌てて隣に立った。


新八が机を拭いてくれているのを見て

少しおしゃべりしちゃった、と反省する。



「ありがとう銀時、代わるよー」


「2人でやった方が時短だろ」


「意外と家庭的だよねぇ」



のびのびと話すA。


Aの声はいつでも落ち着いていて綺麗だった。

どこか澄んでいて聞いていて心地よくなる声。


Aが話している時、みんなそれを無意識に感じ

Aのそばが心地よいと思うようになる。


銀時ももちろんその中の一人だ。


桂の話を進めるAの言葉など今はあまり聞こえておらず

隣で必死に喋るAの声に安心し、その姿に微笑む。



「・・・小太郎に会いたくなっちゃった」


「今日そんなに遅せぇよの?」


「わかんない、遅くなるって言われたの」



少し唇を尖らせて顔を下げるAに、さっきまで楽しそうに笑っていたのに、と銀時は焦る。


しかし、桂のことで悩みだしたら誰も手をつけられないことを、銀時は知っている。

桂を恋しいと泣き出せば、会えるまで泣き止まなかった過去もある。


といっても、さすがにそんなことになった時期はまだAが10にも満たない年の頃のことだが。

しかしまぁ、その頃を知っている身としてはこんな事でもどうしようと戸惑ってしまうのだ。






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RIO - 続きが読みたいです!!! (2022年3月14日 2時) (レス) @page21 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年9月1日 0時

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