すれ違い [銀魂-桂小太郎] (ページ15)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:15,272 hit

15.呆れ顔ページ15

･

ギャーギャーと騒ぐだけ騒ぎ、やっとの事で銀時はその場から逃れられた。

だがしかし、Aと桂のすれ違いは加速するばかり。

｢もう外に出るなお前は｣

｢なんで小太郎にそんなこと決められなきゃいけないの｣

｢そうやってお前がフラフラしてるからだろう｣

｢してないよ･･･っ｣

｢今までも俺がいない間に、男に色目を使ってたんじゃあるまいな｣

｢･･･っなんでそんな事言うの｣

｢その幼稚なところを直さないから、男も寄ってくるんだ。

かまってちゃんばかりしてないで、もう少し女性らしくしてみたらどうだ｣

桂にとっては思ってもいない言葉だ。

喧嘩のせいで口から出たただの言葉。

しかしその言葉が、Aを酷く傷つけた。

幼稚で子供っぽいことくらいはAも自覚していた。

誰からもそれを指摘され続けてきたのだから直そうと努力していたこともある。

ずっと、自分でも気にかけていたことでもあったのだ。

それを、桂は昔に可愛らしいとAに伝えた。

その言葉だけが、Aを勇気づけたのは、誰も知らない、Aだけが知っている事実なのだ。

泣いたら負けだ、今泣いたら幼稚だ、Aは目に溢れんばかりの涙を貯めて堪えた。

チラリと、そのまま桂を見ると、ちょうど桂もAを見た。

そうして、目いっぱい溜まった涙を見て

ほんの少し、呆れた顔をしたのだ。

桂の心情はどういったものか、Aにはもちろん分からない。

それが、いつものような軽い呆れた表情なのか

怒りがあったからしてしまった表情なのか。

どちらにしろ今のAには心から呆れられてしまったのだと

泣き顔を見てもなお何も思わなくなったのだと思う以外の選択肢はなかった。

桂が、心底傷ついたAの表情と、こぼれ落ちた涙を見てハッとする間もなく

Aは家から走って出ていった。

･