［歌い手］推しは兄でした。

18 ライブ、そらるside ページ19

そらるside

「なんか、まふが来ねーんだけど(笑)。じゃあ来るまでまふの恥ずかしい話でもしようかな？」
歌い終わり、うらたと交代で出て来るはずのまふが来ない。来れないほど悪くなったのか。ただただ心配だがここはステージの上。俺の心配を悟られてはいけない。
「みんなー、まふの恥ずかしい話、聞きたい？」
沸き立つ会場。

イェーイ、ききたーい！！お願いしまーす！！

「おおいい反応。じゃあね、軽いとこから行こうか。まふが遅れれば遅れる程恥ずかしい話しが2万超の人に公開されるというwww」
「我ながら鬼だね」
そう言っているうちに舞台袖でまふらしき人影が見えた。
「じゃあ、一つ目！今日のリハの話です。まふソロの夢花火の確認の時、あいつはなんと「ストープ！」」
「チッ、あっ来た。まふ遅かったね。後1分遅かったら完璧だったよ」
「い、いま舌打ちしましたね！！」
「してない、してない」
「棒読みじゃないですか。みんなも聞いたよね！」

出て来たまふは、さっきよりも元気そうで。寧ろハイテンションだ。さり気なく
首を触って見ると、少し暖かいくらいになっていて、安心する。
「ねぇ、まふ。なんかいいことあった？」
そう聞けば、
「えっ？分かります？というか、聞いちゃいます？」
「えっ、聞いて欲しいんでしょ」
「いや、そんな事は言って無いですよ。まあ、そらるさんがどうしてもって言うんなら、言ってあげなくも無いけどー」
「うざっ、聞かなくてもいいよ俺は」
「えっ、なんでそーなるんですか？聞いて下さいよ！！」
「仕方ない。はい、どうぞ」
「ヤッタァ、皆さん！楽しんでますかー？本日二度目のMC、まふまふです！」
「今ですね、すっごく嬉しい事があったんですよ！！詳しい事は口止めされているので言えないんですけどね、コラボが決まったんです！！僕が密かに願い続けてた、ある人とのコラボなんです！！」
「おめでとう。って言ってもまふが密かにし過ぎて、俺でも検討もつかない」
「決まったと言っても、実際動画が上がるのは半年後ですけどね」
「そうなんだ。じゃあ、皆さん半年後をお楽しみに！という事で、次の曲はATRの新曲です」
「みんなー！ちゃんと聞いて来てくれましたかー？」
「一緒に盛り上がりましょう『just a time!』」

良かった。いつものまふだ。いや、いつも以上のまふまふ。
葵ちゃんは、ちゃんと伝えられた様だな。

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