7話 ページ26
須美「…そのっちのバニラ味、頂戴!」
園子「わ!わっしーに取られたぁ〜」
そんな会話を耳にしながら苺ミルク味をパクリと口に含んだ
ジーッと隣から視線を感じて、不思議に思いながらわっしーの方を向く
「何?」と問おうとするがわっしーの様子がどうも可笑しい…
まさか…!
心当たりがあるとすれば、フードコートへ向かう前まで遡る必要がある
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―フードコートへ向かう数分前―
ジェラートを食べに向かう道中、園子が"ハロウィン仮装会場"と言うのを見付け「面白そうだから行こう」と言い連行された
店内へ入ると、お化けやらカボチャやら何らかの衣装を纏っている人達が沢山見受けられる
それらを見て目を輝かせた園子は、私達に似合いそうな衣装を探し出して次々と持ってくる
スイッチが入った園子は誰も止める事が出来ない為、ここは大人しく聞こう
渋々、園子が選んだ衣装を持ち試着室へ向かった
私に手渡された衣装を確認すると、そこには紺色の"シスター"の衣装一式があった
試着を終えた私は、一通り鏡で自分の姿を確認した
双葉『似合わないよな〜。こういうのは……』
ポツリとそう呟き、鏡に向かって苦笑する
試着室のカーテンを開け出ると、わっしーが既にカボチャの衣装を纏った園子の餌食になっていた
わっしーは狐の耳と尻尾を着け、白い丈の短い行衣のような衣装を着て、恥ずかしそうに頬を赤らめて必死に丈を伸ばそうとしている
うん、可愛い…
_カシャ
私も静かにカメラを構え、2人を正面から隠し撮る事に成功…
須美「ふたっち…!」
しなかった…
その後、わっしーの声に園子が気付き標的を変えるが如くパシャパシャと写真を撮られてしまったのだった…
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須美「ふたっちの抹茶味も、頂戴!」
そうこう思い出していると、隣から専用スプーンを持ったわっしーの手が伸びて来る
しまった…!
瞬きした隙に、緑色の…抹茶味のジェラートが奪われてわっしーの胃袋へ入ってしまった
双葉『うぐぐ…やったな〜。…お返し!』
そう言い、わっしーの黒胡麻味のジェラートに手を伸ばしパクリと頂く
次は…
わっしーと共に園子をジト目で見ると、慌てた様子でこちらを見た
園子「その目はまだ狙ってる〜!お、お姉ちゃんまで〜!?」
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空はいつの間にか茜色に染まり、カボチャのランタンにも微かに火が灯っている
色々あった今日も終わりへと近付き、寂しく思いながらも帰路へ着いた
ラッキーカラー
あずきいろ
今日の勇者キャラは?
乃木 園子(小)
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作者名:しーちゃん | 作成日時:2020年6月11日 20時