☆最初から悪い人なんていない ページ49
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『…っ、園川さんっ!!』
園「…なんであんたが、」
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事務の方やスタッフの方々
色んな人に聞いてまわりながら、やっと見つけた
スタッフルームでヘアメイクの道具を鞄に片付けていた園川さん
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『っ、さっきHIROさんに聞いてっ…
今日、行っちゃうんでしょ、?』
園「ッチ…ベラベラ喋りやがって
だから、何?」
『まだちゃんと話が出来てないから、最後だからっ…』
園「私はあんたと話すことなんてない。
今すぐ消えて」
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、大丈夫
自分の気持ちを、言葉にするの
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『…私はっ!園川さんと、友達になりたいっ!』
園「…あんたって耳あんの?
人の話聞いてた?」
『…私は、園川さんが羨ましいよ。
あんな大きな事務所に所属してることも、海外で仕事が出来ることも。
私は園川さんみたいに上手くないし、全然一人前じゃないっ…』
『だけど、私は凄く楽しかった。
園川さんを見て良い刺激を貰ってたし、沢山学んだこともある。
だから、これからはそうやって刺激し合える仲になりたいの…
、だから私と、友達になってくださいっ!』
園「ふっ、何ご機嫌とり?
私はそもそもあんたが嫌いなの。友達になんかなるわけないでしょ?」
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私は思うの
園川さんは、きっと本当は悪い人じゃないって
だって
不意に見せる瞳が
とても悲しい、色をしているから
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『…里保っ、!』
園「……っ!」
「…里保は私のこと嫌いでもいい!
でも私はっ、私は里保のこと好きだから!
だから、またいつか戻って来て
…また一緒に、仕事がしたいの」
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そう言うと
私を見てまた、あの悲しい瞳を見せた
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園「…本当、そんな性格だから余計にムカつくのよ」
『…え?』
園「あんたのその、優しくて誰にでも真っ直ぐな性格が羨ましかった」
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作者名:もも | 作成日時:2017年8月22日 0時