イケボの彼はドSだったらしい。【川村壱馬】番外編 (ページ39)

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☆あなたじゃないとページ39

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優しい、夢をみた

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大きくて、でも柔らかい手が

私の頭を撫でていて

その方を見ると

また優しく、微笑むの

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でもそれが誰だかはみえない

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壱馬くん

…壱馬くんだったらいいな

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そっと目を開けると

それと同じ光景が、広がっていた

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『、か、かずま、くん…』

壱「……A」

壁に寄り掛かって寝ていた私に

ベッドを起こして手を伸ばして、頭を撫でていた壱馬くん

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私の名前を呼んで

夢と同じ、優しく微笑む姿を見ると

涙が溢れた

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壱「…泣いてる？」

『、ふ…かっかずっまくん、』

壱「ふ笑そんなに泣いたらブサイクになるぞ」

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もう、なんて言われたっていい

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貴方のその優しく笑う顔が

もう一度、私に向けられているということが

それが私にとってどんなに幸せか

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臆病で弱くて、一人を恐れていたこんな自分に

この笑顔がどんなに支えになっていたか

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今更気付く私は、やっぱりバカなんだ

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壱「な、きて」

壱馬くんは指で私の涙を拭い終わると、そう言って

見ると、壱馬くんは小さく手を広げて私を待ってた

でも私は

それ以上に大きく、壱馬くんを抱き締めた

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壱「…苦しーってA笑」

『なんでっ、』

壱「ん？」

『なんで、責めないのっ？

私は、沢山壱馬くんを傷付けて、壱馬くんから逃げた最低で最悪なやつなんだよ…っ、』

壱「最低で最悪なやつは俺だから」

『、え？』

壱「Aに酷い言葉かけて、信じられなくて、傷付けた。

…俺さ、ただの嫉妬だったんだよ

玲於さんと仲良くしてるのも、二人でメシ行ってるのも、名前で呼び合ってるのも。
だから、俺がいなくても大丈夫なんだって言い聞かせてた。

、でもそんなの無理だ

…俺には絶対、Aしかいないから」

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そして優しく、私の背中をさすった

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