拝啓ブライズメイドの君へ【センラ】

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「あの…。ただ、その、言わなきゃいけないことがあって…」






「ん？なに？」






まさか伝えることになると思っていなかったから、なんて言ったらいいか言葉だけが頭をぐるぐる回る。





「あかちゃん…」





かろうじて出たのはこと一言のみ。





「…あかちゃん？」





「きた…」





「ん？」





見てるだけで彼の頭の中はハテナでいっぱいということがわかる。





「妊娠、してるっぽい…。えへ」





「…？…んえ！？」





一瞬時が止まったように見えた彼の時間が急速に動き出した。





「え！うそ！？え！？信じられへんのやけど！？」





混乱するのもそのはず。





だって、ちゃんと対策してたから。





普通ならあり得ない状況なのは私が1番よくわかってる。





「病院、行ったん？」





首を振る。





「検査薬だけ。陽性だった」





「よし、明日お通夜終わったらすぐ行こう」





そう言ってやけに嬉しそうな彼。





今はご機嫌でスーツの上着を脱ぎ、ハンガーに掛けている。





「嫌、じゃないの？」





「何言ってるん！？めっちゃ嬉しいに決まってるやんか！だって、俺の子なんやろ？そんなん、ばちくそ嬉しいわ」






1番予想していなかった反応に、不思議と私も心から嬉しくなる。






私の中に広がっていた不安は一瞬で消えてしまった。

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