拝啓ブライズメイドの君へ【センラ】

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「はぁ、はぁ、も、無理。いや…」




車にささっとドレスを積み込み、会社のある場所へ行くまでは良かった。




駐車場は、社員しょうがない為入れず。




仕方無しに近くのパーキングに停め、会社に一度挨拶に。




案の定、受付で不審がられ、社長には全く取り次いで貰えず。



呼んでおいてなにそれ!!なんて思っても、帰る訳にはいかないので、なんとか説明し、やっと取り次いでもらえ、身の潔白が証明された。




部屋にご挨拶に向かい、いざ最難関、ドレス運びに移ったわけだが。




頑張っても3回は往復しなければいけない上に、まさかの35度越え。




一回目はなんとか。二回目は泣きそうになりながら運んだ。




そして、現在三往復目に来たところだ。




「嶋坂、恨む〜。うぅぅ」




上司がサブに付けてくれたはずの嶋坂は、なんと夜から担当挙式が入っているという、なんとも残念すぎるオチで。




現在、一人で、年頃の女が汗をだらっだら流しながら、必死こいてドレス運び。




そもそも、社長室ってもんは、普通に会社で働いている人たちの横を通らないといけないわけで、完全に場違い。それに、もの珍しさで見られて恥ずかしい。




「これが最後で、ありますように…」




そっと祈った。

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