拝啓ブライズメイドの君へ【センラ】

16~sideセンラ~ ページ17

「え〜、どうしよ。俺、あの子達帰るときに声掛けてみよっかな」




「え、ずる、それはずるいだろ。じゃあ俺も」




「お前杏奈さん派とか言ってたじゃんかよ!!」




「だって既婚者だし〜、流石に浮気はだめだからな」




「そもそもお前が落とせるレベルじゃないから」





そんな風に聞きたくもない会話が入ってくる。




あ〜、うるさ。ほんま真面目に仕事せぇよ。




そもそも、簡単に落とせる思ったら間違いやで、あの子。




めっちゃ天邪鬼やから。




俺でさえ振り回されまくってるんやから。全然感情が読めへん。




「なぁ、連絡先、教えてくれると思う？」




「思わへん」




「え、断言!?」




「ええからお前仕事せぇや」




同僚に人生で初めてイラついている。




「なんでよ〜、期待するだけいいじゃん。だって指輪してないから、少なくともフリーってことじゃん」




「結婚してないからといってみんながみんなフリーやと思ったら大間違いや」




「わからんじゃん。もしかしたら俺にもワンチャンあるかもじゃんかよ〜」




何がワンチャン。や。




「なんで、そんなイライラしてんの、ほんと。別にお前のじゃないんだからさ〜」




ちょっと、センラさんぷちっときちゃった。




「ええか!!あれは俺のや!!!」




社内に響く大声で叫んでしまった。





しかもバッチリ指差して、誰に対して言ってるか丸わかりの状態で。




こんな時、普段歌で鍛えられた声帯がいらん働きをする。

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