落ちて、先輩

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『私ね、好きですと付き合ってください一緒に言われるまでは付き合わないようにしてたの。』

と言ってにこりと微笑まれた。

『今まで好きですと付き合ってくださいって単体でしか言われなかったの。だから付き合わなかったんだよ。』

意味がわからなかったけどまぁいいや。
先輩と付き合えたことが嬉しい

「先輩、抱きしめてもいいですか」

『キスするのに許可とらなかったのに？』

「確かに」

抱きしめると先輩の匂いがする。
当たり前だけど落ち着く

「Aさんが告白された時に言ってたのってもしかして天然じゃなくてわざとだったんですか？」

『ん〜嫌味かな』

「性格悪いんですね？」

『嫌い？』

「好きですよ」

『ふふ、そっかぁ〜。いい後輩ちゃんだ！あ、違う。いい彼氏さんだ！』

「じゃあこれからAさんも僕のこと名前呼びでいいですよね？」

『えぇ！？……が、頑張ります…』

「言ってみてくださいよ」

お願いします、と言ってみると少し考えて上目遣いで僕を見た

『わ、わたるくん……わ〜っ！恥ずかしい…ダメだぁ…』

そう言ってパタパタと手で顔を仰ぐAさん

「可愛かったです、ありがとうございます」

『じゃあわたるくんも敬語やめてよ。二人でいる時くらい』

「わかった」

というとぷくっと頬をふくらませた
どうしたのかと聞くと

わたるくんだけ普通に出来ちゃうのずるい
と怒られた

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