口づけは檻の中で【stxxx】2

yellow Melancholy ページ5

・裁判まであと五日・



るぅとside



夜が更けて、刑務所に着いてから無我夢中で扉を開いてAさんに飛びついた。



る「Aさんっ、Aさんっ…！」



『えっ、どうしたの、こうせ…るぅとくん…？』



急に抱きついてきた僕を突き放すこともなく、優しく抱き締めて頭を撫でてくれるAさんに再度胸が鳴く。



…でも、それ以前に。



る「…昨日、なんでころちゃんとキスしてたんですか」



『んぇ…っ！？み、見てたの…？』



珍しく驚いてるAさん



なんだか新鮮。



でもやっぱ寂しくて



目の奥がツン、とする



次第にポロポロと透明なビードロが零れてきた



『だ、大丈夫…？泣かないで…』



る「…っ、A、Aさんが…っ…、ころちゃんとキスしてて…ぼく…さみしっ、くてぇっ」



もう22なのに



年上女性、しかも犯罪者の胸で泣いちゃうなんて



僕は何してんだろう



『…ごめんなさい、あれはころんくんのお願い聞いてたの』



る「…は？」



お願い？



る「…なんですか？それ」



『みんなディープなことしてるのに、僕だけって』



る「ああ…」



なんだ、柄にもなくそれっぽっちのことで僕は泣いてたのか



…でも



る「…無駄に泣いちゃったので、…僕にもキス、してください」



これじゃあまるで子どもみたいだ。



『…いいわよ』



ﾁｭ



唇に温もりを感じた



る「…んふふ、ありがとうございます。じゃあ僕戻りますね」



『はいはい、どういたしまして』



檻から出ていく



寂しくなって、急にキスをねだって



それでもお願いに応えてくれたAさんに、改めて魅力を感じた。

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