[男主][歌い手]炎上しました。男同士ですけど。[まふまふ]

なな ページ9

5分ほど歩けば見覚えのある住宅地。

もうすぐだなぁ

少し楽しみ。まぁ今回の訪問は不本意だけど。

そらるさんが暮らしている一軒家の前。
相変わらずいい所に住んでる。

ヘッドホンを外し、インターホンを鳴らす。
ぴんぽーんと軽快な音が聞こえる。

｢あ、A。いらっしゃい鍵開いてるよ｣

さてはそらるさん、うとうとしてたな。
声が少しねむそうだった。いつものことだけど。

がちゃりと扉を開け、お邪魔します〜と独りごちる。いらっしゃーいって返事が聞こえて、焦った。まさか聞かれていたとは。

無駄に長い廊下を迷いなく進む。そらるさんの家に来るのは何回目だっけ。もう数えられないくらいだろう。

そらるさんが待っているであろうリビングに到着、したはいいものの、そらるさんが見当たりません。

ぐるぅっと辺りを見渡すと急に視界が真っ暗に。あ、目塞がれたな、なんて呑気に思う。

｢そらるさん、やめてよ｣

くるりと後ろを振り返り、頬をぷくりと膨らませる。後ろにいたのはやっぱりそらるさん。

｢ごめんごめん、つい｣

なんて照れたように笑うから、僕もつられて笑ってしまった。

笑ったら、許すしかないじゃん。

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