じゅうさん ページ15
……ここはどこだろう。
真っ暗な空間で僕はひとり佇んでいた。
自分の体さえ見えないまま、ふらふらと歩き始める。
行くあてなんてないのに。
｢そうだよ、君に行くところなんてない｣
急に声が聞こえて驚いた。
それも自分とそっくりな女声。少しだけ鼻にかかるような、そんな声。
｢誰。｣
｢やだなぁ、わかんない？
君も知能指数低いのかな？
勘違いした子達みたいに ｣
なんとなくわかった気がする。
小説とかでよくある、«本当の自分»みたいな、そんな感じだろうか。
｢そんなのどうでもいいからどっかいってよ。｣
語気を強めて突き放すように言葉を発する。
｢君のせいでまふもそらるさんも迷惑かけられてるんだよ？｣
そんなの分かりきってる。
でも……
｢«俺»だってこんな容姿で生まれたくなかったよ！
いじめられはしなかったけどな、それも偶然だ！
«俺»を哀れんで欲しいだとかそんなのは思ってもないけどな、それでも勘違いされるように生まれてしまった«俺»の気持ちだって考えてもらいたいな！｣
言い切った。
もう嫌なんだ。
部屋の隅でいじめられないようにビクビクしてるのは。
僕だって普通に男性らしい顔で生まれたかった。
｢かわいい｣よりも｢かっこいい｣って言われたい。
僕だって普通の男なんだよ！
勘違いすんなよ、僕は……
｢落ち着いたか？｣
｢うっさい｣
暴言を吐いてしまうのだって仕方が無いだろう？
｢そーかそーか、じゃあ戻ってそれ伝えてこいよ｣
«僕»に肩を押された瞬間体がぐらりと傾き、どこか深いところへ落ちていくような錯覚を覚えた。
今まで姿が見えなかった«僕»は今の僕よりも幼くて、顔は泣きそうな程に歪んでいた。けれど、僕が«僕»を見ていることに気がつくとこれまでに見たことがない本当に優しい笑みを浮かべた。
あんなに優しい笑みを浮かべる人物を僕は«僕»以外知らない。
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香夜 - とっても面白いです！この夢小説私の読んだ中で一番好きです！更新頑張ってください！(｀・ω・´) (2020年8月13日 23時) (
レス) id: 0b7fae4f19 (このIDを非表示/違反報告)
いじめっこはとりあえず[ピーーーー]たい - 初コメです！ろくの曲ってメリーb((殴更新を楽しみにして1日1本髪の毛抜いてません(更新を楽しみにしてるのは本気(本気と書いてマジと読む)です) (2020年8月4日 15時) (レス) id: 0d11747940 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - zigami-izuaさん» ありがとうございます！更新、返信共に遅くなってしまい申し訳ございません......... (2020年7月20日 3時) (レス) id: 432d939883 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 咲夜さん» 初コメントありがとうございます！わぁ嬉しいです〜！更新遅くなってしまい本当に申し訳ございません....... (2020年7月20日 3時) (レス) id: 432d939883 (このIDを非表示/違反報告)
zigami-izua(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新楽しみにしてます！！！ (2020年4月15日 13時) (レス) id: e26948917f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓 | 作成日時：2018年11月24日 18時
