じゅう ページ12
暫くして落ち着いた僕はとりあえずそらるさんに謝った。急に家に押しかけてその上情緒不安定なんだもの、迷惑極まりないだろう。
「あのねそらるさん」
そらるさんの目を真っ直ぐ見据える。
「なに〜?」
その優しい声に思わず泣きそうになったけれど息を吸って話し出す。
「そらるさん、配信僕も一緒にする。
それで、ふたりにもう迷惑かけないで、ってお願いする。
素直には聞いてもらえないかもしれないけど」
言い切ってから自嘲的に笑う。
僕の存在ひとつっきりでふたりに迷惑がかからないようになるわけない。
分かりきっていることだけど、これが僕なりのケジメであり、新しい人生へ向かうための区切りだ。
あ、死ぬわけじゃないけどね。
そらるさんは僕の胸中を悟ったかのようにいつも通り、ううん、いつも以上に優しく笑って
「そうしよっか」
と同意してくれた。
そのあと他愛もない話を少しだけして、帰ることにした。
そらるさんが
「送っていく」
って言ってくれたけど丁重にお断りしました。
もしかしたら、って可能性が無いわけじゃない。もしそらるさんも炎上したなんてことになれば僕はもう皆に一生顔向け出来ない気がする。
「じゃあお邪魔しました、それと
ありがとう」
「いえいえ、じゃあね」
上手く笑えただろうか。
下手な笑顔ではなかっただろうか。
ネガティヴな考えがぐるぐると頭の中を回る。
外は少しだけ寒くて、もう少しで冬が来ることを暗に伝えようとしているように感じられた。
肩を抱き、寒さに耐えながら家路に着いた。
まさかの出来事って本当に続くんだね。
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香夜 - とっても面白いです!この夢小説私の読んだ中で一番好きです!更新頑張ってください!(`・ω・´) (2020年8月13日 23時) (レス) id: 0b7fae4f19 (このIDを非表示/違反報告)
いじめっこはとりあえず[ピーーーー]たい - 初コメです!ろくの曲ってメリーb((殴更新を楽しみにして1日1本髪の毛抜いてません(更新を楽しみにしてるのは本気(本気と書いてマジと読む)です) (2020年8月4日 15時) (レス) id: 0d11747940 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - zigami-izuaさん» ありがとうございます!更新、返信共に遅くなってしまい申し訳ございません......... (2020年7月20日 3時) (レス) id: 432d939883 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 咲夜さん» 初コメントありがとうございます!わぁ嬉しいです〜!更新遅くなってしまい本当に申し訳ございません....... (2020年7月20日 3時) (レス) id: 432d939883 (このIDを非表示/違反報告)
zigami-izua(プロフ) - 凄く面白かったです!!更新楽しみにしてます!!! (2020年4月15日 13時) (レス) id: e26948917f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2018年11月24日 18時